研究課題/領域番号 |
20H02473
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野村 直之 東北大学, 工学研究科, 教授 (90332519)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
|
キーワード | 積層造形用ステンレス鋼粉末 / 粉末リサイクル / レーザ吸収 / 酸化物分散 / レーザ粉末積層造形 / 粉末酸化 / レーザ吸収率 / レーザ積層造形法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、積層造形用粉末、積層造形プロセス、造形体機能それぞれに酸素を活用してメリットを創出する。積層造形過程で起こるレーザ吸収挙動や溶融ビード形成過程における酸素の効果に着目し、溶融後には酸素を酸化物形成のためのソースとして利用し分散強化を図る。本研究では、酸素が及ぼすステンレス鋼粉末特性、溶融挙動、造形性、造形体の力学特性への影響を学術的かつ系統的に明らかにすることを目的とする。積層造形用粉末機能、粉末リサイクル性、造形性、力学的性質を重畳して向上することを目指し、積層造形技術の基盤となる学術の発展に貢献する。
|
研究成果の概要 |
316ステンレス鋼をベースとした積層造形用粉末を準備し、これを酸化させた時の粉末特性変化を粉末流動性、レーザ吸収率および接触角の観点から調べた。レーザ積層造形用粉末としての特性が酸化により向上することがわかった。酸化した316L粉末を用いて積層造形を行った結果、酸化粉末は溶融ビードの連続性を向上させ、母材中における微細酸化物分散を可能とした。しかし、引張試験により得られる耐力や引張強さには大きな変化は見られず、延性の低下を引き起こすことがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸素が及ぼすステンレス鋼粉末特性、溶融挙動、造形性、造形体の力学特性への影響を学術的に明らかにすることができた。粉末酸化を防ぐための粉末酸化処理を行い、粉末表面における酸化被膜の形成、レーザ吸収率および表面張力の変化、造形体に及ぼす組織と機械的性質の影響を関連付けて議論したことに学術的な意義がある。ステンレス鋼粉末を例にした新たな酸素の利用法を提案し、再利用性を考慮した積層造形用粉末の開発につながることから、社会的意義も大きい。
|