研究課題/領域番号 |
20H02487
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
赤松 謙祐 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 教授 (60322202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 電気めっき / 低環境負荷 / 高分子電解質 / 廃液フリー / 固体電解質膜 / 銅めっき / 高分子電解質膜 / 固相電析法 / イオン輸送 / ダイレクトめっき |
研究開始時の研究の概要 |
環境負荷インパクトの小さい高速電気めっき技術の開発は、回路基板製造における危急的課題である。本研究では、めっきプロセスにおけるイオン輸送相に固(電解質膜)-液(電解液)界面を導入し、「界面濃縮」を新たにイオン輸送駆動力とすることにより、廃液を出さず、低濃度電解質溶液からの高速めっきを可能にする新しい電析システムを提案する。これにより、次世代の「新規低環境負荷めっきプロセス」の実現に向けた化学的アプローチを提案するとともに、小ロット・多品種少量生産型の実装基板への応用可能性を開拓する。
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研究成果の概要 |
本研究では、めっきプロセスにおけるイオン輸送相に固(電解質膜)-液(電解液)界面を導入し、「界面濃縮」を新たにイオン輸送駆動力とすることにより、低濃度電解質溶液からの高速めっきを可能にする新しい電析システムにおけるメカニズム解析を行った。界面構造モデルにもとづき反応速度式を立案し、実験および理論の両面から検証を行った結果、本反応では電解質膜と溶液間のイオンペネトレーションが律速であり、各速度定数の算出に成功した。これにより、次世代の「新規低環境負荷めっきプロセス」の実現に向けた化学的アプローチを提案するとともに、小ロット・多品種少量生産型の実装基板への応用可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、固液界面における化学反応速度を支配する新たな物質移動制御機構が解明されたことから、電極間のイオン輸送に関する概念的発展が期待されるとともに、電気化学および物理化学等における基礎学問分野に対して新たな学理を提供できる。また本系は、支持電解質や添加剤を使用せず廃液をほとんど出さないため、回路基板製造におけるエネルギー投入を飛躍的に低減できる。本法は従来法に比べて、回路基板単位面積あたりの二酸化炭素排出量を1/3に、廃液量を1/30以下にすることが可能であり、近年の小ロット・多品種少量生産の要求に対応する革新的ブレイクスルーをもたらすと期待できる。
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