研究課題/領域番号 |
20H02493
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大内 隆成 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (50555290)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | リサイクル / 貴金属 / レアメタル / 電気化学 / 溶融塩 / 乾式プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
貴金属やレアメタルの需要は、我々の生活水準の向上、クリーンテクノロジーの導入に伴い、益々増加する。一方で、これらの金属の天然資源は、限られた地域に偏在しており、我が国の安定的な資源供給のためには、使用済みの電子デバイスなどからのリサイクルプロセスが極めて重要である。しかしながら、貴金属やレアメタルのリサイクルは、一般的に、強力な酸などを用いた水溶液への溶解を基本的な手法とする、複雑な処理によって行われており、長い工程時間と多量に発生する有害廃液による環境負荷という課題がある。そこで、本研究では、簡便で有害廃液の発生のない、効率性と環境調和性を兼備した新規リサイクルプロセスの開発に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では、工程時間の短縮、有害廃液の発生抑制、分離・精製の簡素化を実現する新たな貴金属・レアメタルのリサイクルプロセスを開発することを目的として、溶融塩中における金属アニオンの電気化学反応について詳細に研究を行った。各種合金から溶融塩へ金属 (M) が金属アニオン (M-) として溶解する際の溶解挙動や、金属アニオンの電気化学的挙動を解析した。解析結果をもとに、電気化学的酸化反応による金属Mのアノード析出 (M- = M + e-) 条件を見出し、各種Au合金からAuを選択分離・回収するという新しい技術を開発した。さらに、貴金属以外のいくつかのレアメタルへの同手法の有効性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、工程時間の短縮、有害廃液の発生抑制、分離・精製の簡素化を実現する新たな貴金属・レアメタルのリサイクルプロセスを開発した。この方法では、Auなどの電気陰性度の高い金属を活性金属と合金化して金属間化合物を作り、これを溶融塩に溶解する。溶解後、電気化学的にアノード析出し、Auを選択的に分離・回収する。本研究ではスクラップ含有金属元素とAuとの合金から、Auを効率的に分離・回収可能であることを明らかにした。従来のリサイクルプロセスは多工程からなるが、この新プロセスは初期工程で貴金属やレアメタルを選択的に分離・回収することが可能となり、リサイクルプロセス全体の効率化に繋がると期待される。
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