研究課題/領域番号 |
20H02495
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野瀬 嘉太郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00375106)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 化学ポテンシャル制御 / 反応場 / 二次元材料 / 固溶体 / ドーピング / pn反転 / 硫化錫 / 化学ポテンシャル / 製膜 / 蒸留 / スピンコーティング / ホモpn接合 / バルク結晶成長 / フラックス / 格子欠陥 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では通常フラックスと呼ばれる液相を半導体形成の“反応場”として捉えることによる新たなプロセス・概念に基づき,Sn-Sb 液相とSnS 固相との二相平衡を利用した Sb ドーピングによる SnS の n 型伝導化,およびAl, もしくは Ga を加えた Ge-Sn-Al(Ga) 液相と (Ge,Sn)S との平衡を利用した固溶体 (Ge,Sn)S の形成によるバンドギャップ制御を試みる。いずれも,固相と平衡する液相(反応場)における化学ポテンシャル制御が鍵となる。
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研究成果の概要 |
本研究では,Snを中心とする低融点金属反応場における化学ポテンシャルを制御することにより,SnSのn型伝導化,および(Ge,Sn)S固溶体形成によるバンドギャップ制御を試みた。その結果,前者に関してはSnS結晶中のSb組成が0.02mol%のところでpn反転を確認した。本研究の当初の計画通り,従来とは異なる化学ポテンシャル環境の実現により,SnSに対するカチオンドープで初めてn型伝導を確認した。一方,固溶体形成については,第4元素としてBiを添加することにより,液相と固溶体が平衡することがわかった。これを蒸発源として用いることでバンドギャップの制御された固溶体結晶が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では従来困難であった,カチオンドープによるSnSのn型伝導化に初めて成功した。これにより,太陽電池におけるホモpn接合の実現などに対して重要な知見を与える。また,固溶体形成に関しては,プロセスの低温化という制約に対して,液相との平衡と分留を組み合わせることで解決策を提示した。いずれも,目的の結晶と熱力学的平衡にある液相の化学ポテンシャルを制御するという考え方に基づくものである。このような冶金的な考え方を半導体プロセスに適用することで,新奇の材料,およびプロセス開発に繋がることが期待できる。
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