研究課題/領域番号 |
20H02507
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
山村 方人 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (90284588)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
|
キーワード | drying / thin liquid film coating / photo polymerization / diffusion / phase separation / coating / photo curing / non-Fickian diffusion |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光反応、溶媒乾燥、相構造形成が同時に進行する非平衡場を利用して、同一組成の溶液から異なる内部構造を有する高分子薄膜を作り分ける光製膜分野の開拓を目指す。 具体的には、紫外線照射によるラジカル重合反応、重合物と溶媒との間の自発的な相分離、及び、反応と乾燥の双方によって駆動される多成分拡散とを、光を用いて制御する基礎学理を構築する。時間スケールの異なるこれらの現象を適切にカップリングさせると、薄膜内に多孔質階層構造を作製できることを示し、大面積溶液薄膜の新規な乾燥技術として体系化する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、紫外線照射によるラジカル重合反応、重合物と溶媒との間の自発的な相分離、及び、反応と乾燥の双方によって駆動される多成分拡散とが同時に進行する非平衡場を利用して、同一組成の溶液から異なる内部構造を有する高分子薄膜を作り分ける光製膜分野の開拓を目指した。その結果(1)硬化中に光照射方向への溶媒移動が生じること、(2)この溶媒移動量は光照射までの溶媒乾燥履歴に依存すること、(3)特定の条件で光照射方向へ伸びた柱状多孔質構造が形成することなどの新しい知見を得た他、光駆動による溶媒濃度変化の最大値を推算可能な理論式を導出した。ガラス転移温度の高い反応系で、理論による予測値は実測値に一致した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液晶ディスプレイに欠かせない光学フィルムは、高速走行する基材上に液体を塗布したのち、紫外線照射によって液体内でラジカル重合反応を起こすことで、塗布膜を光硬化させて製造される。この工程では1s以内で重合反応を完結させる必要があり、硬化過程の正確な理解や制御が求められる。本研究では、光反応、溶媒乾燥、相構造形成が同時に進行する非平衡場を利用して、同一組成の溶液から異なる内部構造を有する薄膜を作り分ける光製膜分野の開拓を目指した。その結果、硬化中に光照射方向への溶媒移動が生じること、特定の条件で光照射方向へ伸びた柱状多孔質構造が形成することを明らかにした他、溶媒移動量を推算可能な理論式を導出した。
|