研究課題/領域番号 |
20H02517
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 森也 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (10634983)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 擬二元系合金 / 金属間化合物 / ハイエントロピー / 触媒 / 合金触媒 / 脱水素 / 多元素合金 / プロパン脱水素 / CO2有効利用 / 合金 / 反応場設計 / 多元機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では合金触媒化学の知見、設計指針、研究手法、触媒調製ノウハウを一層発展させ、新規三元系合金を基盤材料とした、革新的触媒設計技法を確立する。特に、既存材料の問題点を克服するため、柔軟性と拡張性を併せ持つ活性点構造「多元機能活性サイト」を構築し、さらにそれらを応用することで従来材料では成しえない、革新的に高効率な触媒系の構築を目指す。またそれだけでなく、詳細なキャラクタリゼーションと計算化学を融合したメカニズム研究を進めることで、三元系合金の触媒化学の学理構築を促進するとともに、新規設計指針の妥当性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、2元系金属間化合物AmBnのAサイトおよびBサイトのいずれかもしくは両方を周期表で近い元素で部分置換することにより(A1-xA'x)mBnあるいは(A1-x-yA'xA''y)m(B1-p-qB'pB''q)nで表される擬二元系合金に拡張性し、それにより触媒性能が劇的に向上することを実証した。具体的にはメチルシクロヘキサンやプロパンの脱水素、NOx還元、CO2を用いたプロパン酸化脱水素などの反応系において、世界最高を含む極めて高い性能を示す触媒群を開発することに成功した。特に両サイトを多元素置換したものはハイエントロピー金属間化合物と呼ばれ、材料面で極めて高い新規性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近、ハイエントロピー合金(high-entropy alloy: HEA, 5元素以上からなる固溶体合金)が構造材料分野を中心に、触媒も含めた様々な分野で注目されてきている。一方でHEAは固溶体合金であるため原子の配列はランダムであり、触媒反応場の精密設計に不可欠な秩序構造を基本的に持たない。この点において我々が切り拓いたHEIの触媒化学は、現在の先進研究のさらに先を行く最新鋭の研究分野であり、なおかつ産学に対する影響力も極めて大きい。特にCO2を用いたプロパン酸化脱水素は化石資源によるプロピレン製造をカーボンニュートラル化できるため、Net Zero 2050に対する貢献も計り知れない。
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