研究課題/領域番号 |
20H02530
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 大知 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50447421)
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研究分担者 |
吉江 建一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (10543316)
大河内 仁志 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 細胞組織再生医学研究部長 (30185235)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | ドラッグデリバリー / トーラス / ハイドロゲル / 肝臓 / 線維化 / 微粒子 / 徐放 / 拡散 / 肝硬変 / アルギン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
肝硬変はコラーゲンなどの細胞外マトリックスが過剰に蓄積される線維化疾患である.肝細胞の破壊と肝臓の線維化が起こる結果,肝表面が硬くなり凹凸状の様相を呈し,肝機能の低下により,黄疸・腹水・肝性脳症など様々な症状を発症する.中でも、脂肪肝は国内で1500万人以上と言われ, NASH(非アルコール性脂肪肝炎)を経由した肝硬変の患者数が増加している.しかし背景疾患であるウイルス感染や合併症の治療は進歩しているものの,肝臓の線維化に直接対処し,肝硬変そのものを治療する内科的・外科的治療法はない。本研究では新規微粒子を用いた肝硬変の局所DDSの新たなアプローチを検討する。
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研究成果の概要 |
将来の肝硬変治療への応用を目指して、薬物送達における新しい局所徐放の方法論を検討した。血管内の局所徐放のアプローチとしては、DES(薬物徐放ステント)とDEB(薬物徐放ビーズ)がある。両者の利点を兼ね備えた新しいアプロ―チとして、中空部に血流を確保できるゲルトーラス粒子による薬物局所徐放システムを考案した。エレクトロスプレー法によってVortex Ring Freezing法を用いた薬物徐放アルギン酸トーラス粒子の開発に成功し、薬物徐放挙動についてFCSによる拡散挙動の解析や有限要素法計算を用いた薬物徐放シミュレーションを行って、システム設計を行い、粒子の肝臓への投与を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝硬変はコラーゲンなどの細胞外マトリックスが過剰に蓄積される線維化疾患である.肝硬変そのものを薬物治療する方法は存在せず,特に患者が増加している非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)起因の肝硬変には優れた治療法がなく,新たな治療法が期待されている.肝臓がんの治療法として用いられるTACE(肝動脈化学塞栓療法)は、肝臓が門脈と肝動脈の二つの血液流入路を持つことを利用しているが、積極的に塞栓を治療に利用するものである。本研究では学術的にも新しい塞栓を回避したステント治療のようなビーズ治療を目指すものであると同時に、治療法が限られた疾患への新しいアプローチを試みたものである。
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