研究課題/領域番号 |
20H02536
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高木 昌宏 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00183434)
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研究分担者 |
下川 直史 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (20700181)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 人工膜 / リポソーム / 生理応答 / 画像解析 / 界面活性剤 / アミロイド / アルツハイマー病 / ストレス模倣膜 / 固体秩序相 / ビタミンE / 膜ダイナミクス / 相分離 / 生理活性物質 / 機能評価 / 動物実験代替法 / スティンギングテスト / アミノ酸系界面活性剤 / 温感剤 / カプサイシノイド / 液体秩序相 / シミュレーション / 数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
受容体やイオンチャネルによる細胞シグナル伝達に関する研究は、盛んに行われてきた。一方で、脂質メディエーターの発見や、ラフト仮説が提唱されて以来、遺伝子が直接関与しない感覚刺激における「膜障害」が着目され始めた。本研究では、大きさが10マイクロメートル程度の細胞模倣リポソームを用いて、膜が関わる生理応答を、変形ダイナミクスを通して可視化する発想を得た。さらに、得られたデータを元にして、数理モデルを作成、シミュレーションや、深層学習等の手法を組み合わせることで、生理応答の可視化、さらには定量的評価法の開発に生かす研究計画である。
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研究成果の概要 |
痛み・掻痒感・鎮静・興奮等、感覚刺激を引き起こす生理活性物質と人工細胞膜との相互作用がもたらす膜ダイナミクス(膜構造変化、膜相分離変化)を網羅的に解析する事で、「生理応答の可視化・定量評価」を試みた。さらに、分子間の相互作用を数理モデル・動画解析を導入して考察し、ダイナミクスから生理作用を類推できる定量性のある評価システムを構築し、動物実験代替法への道筋をつけた。さらに、これらを通して、医療等の分野で利用できる有効で安全な化合物の動物実験に頼らない評価・デザインへ結びつけ、実際にアルツハイマー病の発症メカニズムについて、示唆に富むデータを取得、予防法に対する提案もできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物実験は、残酷な方法であり、定量性に乏しい。我々は、動物実験代替法として、細胞サイズリポソームの構造変化を通して、化合物による生理応答を可視化、定量化する方法を検討してきた。その結果、リポソームの構造変化と、痛み、痒み等との相関関係に対して情報を集積し、正確な判断が行える実験系をデザインする事ができた。この手法を用いて、各種界面活性剤を評価し、刺激性の少ない、安全な界面活性剤の処方を開発する事ができた。さらに、医療分野に於いても、アルツハイマー病の原因である、アミロイドペプチドと膜相分離構造との相互作用を、小胞体ストレスモデル膜をデザインする事で検討し、神経細胞毒性との関係性を明らかにした。
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