研究課題/領域番号 |
20H02543
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
吉本 誠 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (80322246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 酵素反応 / 炭素固定 / 気泡塔バイオリアクター / 固定化酵素 / 気液二相流 / 炭素固定反応 / バイオリアクター / 気泡塔 / オキサロ酢酸 / 脂質ベシクル |
研究開始時の研究の概要 |
生物系では,二酸化炭素を炭素源として,常温・常圧下において生命活動に欠かせない有機物を合成する反応が高効率に行われている。本課題では,異なる種類の酵素の活動により実現している上述の反応系を,脂質分子がつくる細胞小器官スケールのベシクルに構築するための研究を行う。また,このベシクル型触媒を実用的なものとするために,触媒を回収して再利用する技術や触媒の機能を効果的に引き出すことができる化学反応装置の開発に関する研究を合わせて行う。
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研究成果の概要 |
二酸化炭素ガスを炭素源,ホスフォエノールピルビン酸カルボキシラーゼを酵素触媒として,炭素固定反応プロセスを構築した。遊離状態のカルボキシラーゼは,気液二相流場において,気液界面への吸着等により,ほとんど触媒活性を示さなかった。一方,酵素をポリスチレン粒子の粗表面に固定化して用いると,気泡共存下において気液界面と酵素の接触が抑制され,酵素が安定に機能することを見出した。これらに基づき,二酸化炭素含有ガスを連続通気させた外部循環式エアリフト型気泡塔において,固定化カルボキシラーゼを触媒としてホスフォエノールピルビン酸に炭素を付加する反応を進行させた。また,触媒に再利用性があることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エネルギー消費を抑制しながら,二酸化炭素を有効利用する技術の開発は,低炭素社会の実現に向けて有効なアプローチである。常温・常圧において炭素固定反応を触媒する酵素の機能を,実用的な反応器において安定に利用できれば,上述の観点から意義が大きい。二酸化炭素がガス状で反応器に供給される場合,気液界面における酵素の失活が問題となる。本研究では,ポリスチレン粒子に結合させた酵素が,気泡群が共存する反応器において,二酸化炭素ガスを原料とした炭素固定反応を安定に促進することを見出した。また,触媒粒子は反応器から回収して次の反応に再利用できるため,実用的にも優れたプロセスを構築できる。
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