研究課題/領域番号 |
20H02547
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 東北大学 (2020, 2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
坂本 良太 東北大学, 理学研究科, 教授 (80453843)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | グラフィジイン / ナノシート / 分子ナノシート / ナノカーボン / 2Dポリマー / 2D MOF / 2D COF / 分子ナノワイヤ / 薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
炭素―炭素共有結合に基づくπ共役分子ナノシートの創製および構築法の確立は, 化学者の夢のひとつであるとともに, 機能・応用面でも大きな将来性を有する研究対象である. 本申請課題では優れた半導体材料として機能することが理論的に予測されているものの, 未だ実証されていない単層グラフィジイン (GDY) を創製し, その電気特性を明らかとすることを目的に設定する. 分子ナノシートの特長であるモノマーの自在設計による豊富なバリエーションの実現を活かし, 種々のGDY類縁体についても単層化・半導体特性評価を行うとともに, 電池電極素材などのバルク材料としての応用展開なども行う.
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研究実績の概要 |
今年度は研究機関の異動直後ということもあり、研究環境整備に忙殺されたが、コロナ禍ということもあり、整備は難航した。具体的には、研究スペースの賃借、研究機器の移設を行った。技術移転については人的交流のコロナ制限のため、大きく遅れることとなった。スペインの研究者との国際共同研究の遂行も模索していたが、コロナ禍により頓挫した。 新しいグラフィジイン類縁体用のモノマーとして、ポルフィリンをコアに有する含エチニル基モノマー分子の合成を行った。このモノマー分子はグラフィジイン合成に用いられるほか、固相重合による新たな分子フレームワークの構築を追究中であるとともに、その触媒能の探索も行っている。 分子性ナノシートに関連して、ジチオレン金属錯体ナノシートを水全分解半導体光触媒の水素発生反応(HER)助触媒として利用することを提案し、研究を開始した。ジチオレンニッケル錯体ナノシートを界面合成法により合成し、これを破砕したものをチタン酸ストロンチウム(光触媒)に担持した。この複合材料が、犠牲還元剤であるメタノール存在下、紫外光照射により水素を定常的に発生することを見出している。関連して、半導体光触媒自体の開発研究も着手した。 総説として、オングストロームレベルで3D秩序化された炭素に富んだ新材料「3Dカーボン構造体」に関する内容をChemical Science誌に上梓した。ここにはグラフィジインおよびその類縁体も含まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は研究機関の異動直後ということもあり、研究環境整備に忙殺されたが、コロナ禍ということもあり、整備は難航した。具体的には、研究スペースの賃借、研究機器の移設を行った。技術移転については人的交流のコロナ制限のため、大きく遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
研究環境整備を進め、研究の進捗を促す。ポルフィリンをコアに有するモノマー分子については、このままグラフィジイン化、および固相重合による分子フレームワーク化を進める。ジチオレン金属錯体ナノシートのHER助触媒としての利用については、水の完全分解を達成し、論文として報告する。
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