研究課題/領域番号 |
20H02559
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2020-2022) |
研究代表者 |
高田 真太郎 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (90805144)
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研究分担者 |
小寺 哲夫 東京工業大学, 工学院, 准教授 (00466856)
丸山 道隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (30415947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 表面弾性波 / 単一電子デバイス / 量子電子光学 / 量子情報処理 / 飛行量子ビット / 量子電流源 / 二次元電子系 / 量子デバイス / 量子ドット / 量子細線 / 圧電帯薄膜 / 圧電体薄膜 / 量子ビット |
研究開始時の研究の概要 |
量子光学では単一光子源やビームスプリッタといった基本素子を用いて光子の量子状態を制御し、盗聴不可能な量子暗号通信などの量子情報処理の研究が進展している。一方で、固体中の電子に対して同様な基本素子を開発できれば、電子を用いて量子光学的な実験を行う量子電子光学実験を実現することができる。 量子電子光学では強く相互作用する電子の性質を用いた新たな機能や操作が期待される。本研究では、電子の電荷、及びスピンの両自由度に着目し、その量子状態のコヒーレントな移送・制御を行うための基盤技術の開発に取り組み、量子情報処理への応用を見据え、単一飛行電子での量子電子光学実験という新しい可能性を切り拓くことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、表面弾性波によって運ばれる単一電子を用いた量子電子光学実験の基盤技術開発に取り組んだ。主要な成果として、単一電子の移送タイミングを完全に制御する技術の実証、2個の単一飛行電子の衝突実験によるアンチバンチングの観測、そして、高強度な表面弾性波の孤立パルスを発生させる技術の開発とそれによる高効率な単一電子移送の実証が挙げられる。また、本研究では上述の成果を得た実験を含め、これまでGaAs電子系で行われてきた表面弾性波を用いた単一電子の移送技術をSi電子系に移植することを目標に、圧電帯薄膜を用いたGHz帯の表面弾性波の発生技術の開発にも取り組み、1 GHzの表面弾性波の発生を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では表面弾性波を用いた単一電子移送に関する研究を実施した。その成果として、波1個単位でタイミングを制御した単一電子移送を実現し、単一飛行電子に対する単発測定による量子電子光学実験を実施する環境を整えた。また、その技術を用いて2個の単一飛行電子の衝突実験を行い、個々の事象を追いかける単発測定によって、クーロン相互作用に基づくアンチバンチングの観測に成功するなど学術的に高いインパクトを与える成果を得た。 本研究で得られた単一飛行電子の制御技術は、固体中において電子が持つ量子情報の伝送手段として、大規模な量子計算の実現に貢献し、将来的には社会課題の解決に繋がるものと期待される。
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