研究課題/領域番号 |
20H02564
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
早水 裕平 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (80443216)
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研究分担者 |
金蔵 孝介 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10508568)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 生体材料 / ペプチド / 自己組織化 / グラフェン / ナノシート / 2次元ナノ材料 / 自己組織化ペプチド / ナノ材料 / ナノ界面 / 信号伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
2次元ナノ材料である二硫化モリブデン(MoS2)は、単層で直接型半導体であり、そのナノシートを使用した高感度バイオセンサへの応用が研究されてきた。これまで、 抗原抗体反応などを検出するトランジスタ型のバイオセンサが実現されてきたが、培養条件下の細胞活動をナノシートを用いてリアルタイムでセンシングした報告はない。そこで、本研究では細胞からナノシートへの電子信号伝達機構の解明を目的とする。ナノシート表面で秩序構造を形成する自己組織化ペプチド感応膜を利用し、安定な細胞接着を実現すると共に、その活動をリアルタイムで局所的に光および電気信号に変換する新規計測系を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、二硫化モリブデン(MoS2)の特性を活かし、細胞活動をリアルタイムで観測する新規計測系を開発した。具体的には、自己組織化ペプチド感応膜を使用して安定な細胞接着を実現し、MoS2ナノシートの光・電子物性を利用して細胞の活動を局所的に観測した。以下の4つを実施した:(1)細胞結合性のある自己組織化ペプチドの開発、(2)ペプチドによるナノシートへの細胞接着の評価、(3)イオン応答性のペプチド感応膜の設計と開発、(4)発光イメージングおよび電気測定系の構築。実験結果から、MoS2ナノシートからの発光パターンが細胞の接着面に応じて変化することが観察され、細胞活動のリアルタイム観測に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、二硫化モリブデン(MoS2)を用いた新しい細胞活動のリアルタイム観測システムの開発に成功したことである。このシステムは、細胞結合性のある自己組織化ペプチドを用いて安定な細胞接着を実現し、MoS2ナノシートの光・電子物性を活用して局所的な細胞活動を観測することが可能である。この成果は、生体内での細胞活動の解析やバイオセンシング技術の発展に貢献するとともに、疾患の診断や治療法の開発においても有益な情報を提供することが期待される。また、ナノテクノロジーを応用した新たな細胞観察手法の開発は、医療や生命科学の分野においてさまざまな応用可能性を持ち、社会的なインパクトも大きいと期待される。
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