研究課題/領域番号 |
20H02574
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 大阪府立大学 (2020) |
研究代表者 |
桐谷 乃輔 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80568030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | 原子層物質 / 有機無機ハイブリッド / 溶液プロセス / 遷移金属カルコゲナイド / 原子層半導体 / 分子接合処理 / トポロジカル絶縁体 / 有機無機ハイブリッド材料 / 量子デバイス / 分子処理 |
研究開始時の研究の概要 |
量子コンピュータの実現に向けた物質として、擾乱に強いトポロジカル物質が注目されている。本研究では、安定に、大面積で、位置の制御が可能なトポロジカルレイヤ作製のためのプラットフォームを築くことを目的としている。手法として、温和かつスケーラブルな「溶液化学プロセス」を拓く。溶液を用いることの利点として、任意の位置にトポロジカルレイヤを形成できるため、自由な形で量子デバイスやトポロジカル回路を作る技術へと発展すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、原子層半導体の電子状態を強く変調する分子技術を見出した。成果1概要:トポロジカル相の発現には、電子状態を強く変化させる必要がある。新たに電子濃度を高める手法として、分子接合時の環境を考慮した手法を開拓した。従来法において縮退した電子濃度を示していた原子層物質において、さらに数倍の高濃度な電子状態を分子接合によって実証した。成果2概要:分子接合処理において、従来法では分子が厚く堆積してしまう。その常識に対して、新たに原子層半導体と特異的に相互作用をする分子種を見出し、「厚く堆積しない」分子処理法を開拓した。今後、障壁となっていた電極抵抗問題へのアプローチとして有効と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子層物質は、ポストシリコン物質として注目されている重要な物質群である。加えて、最近では、トポロジカル相を発現する物質場として注目され、情報処理技術を革新するものと期待されている。しかし、原子層物質の状態や相を制御することは容易ではない。本研究で見出した分子技術は、原子層物質を安定に、かつ、強く電子状態を変調することを可能とする方法論である。今後、トポロジカル相を選択的に発現させるための手法として有効であると期待している。加えて、特異的に吸着を示す分子技術を見出した。この意義は大きく、原子層半導体をエレクトロニクス応用する際の電極問題へのアプローチとして、新たな方法の提案に繋がるものである。
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