研究課題/領域番号 |
20H02576
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
高尻 雅之 東海大学, 工学部, 教授 (50631818)
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研究分担者 |
田中 三郎 日本大学, 工学部, 准教授 (30713127)
宮崎 康次 九州工業大学, 大学院工学研究院, 特任教授 (70315159)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 熱伝導率 / フォノン / 低次元材料 / 結晶成長 / ビスマステルル / 無電解めっき / ナノプレート / ナノ粒子 / テルル化ビスマス / ソルボサーマル合成 / 熱電物性 / ゼーベック係数 / 電気伝導率 / 熱拡散率 / 熱輸送 / 熱電変換材料 / ソルボサーマル / 熱電変換 / 2次元ナノプレート / 格子熱伝導率 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は材料に室温付近で現状最も高い熱電性能を示すビスマステルル系材料を使用し,材料の低次元化・ナノ構造化・欠陥制御を駆使することで,極限までこの材料の性能を高める.具体的には新奇形状の2次元ナノプレートをソルボサーマル法で創出する.ナノプレートに種々の構造(ナノ孔,ヘテロ界面など)を付加することで,①2次元効果によるゼーベック係数の増強,②フォノン粒子の界面散乱による格子熱伝導率の低減と③フォノン波の局所共鳴によるさらなる格子熱伝導率の低減を複合化させることで材料性能を極限まで高める.なお,本研究の方法はビスマステルル系材料以外の数多くの熱電変換材料にも適用できる極めて有効な方法である.
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研究成果の概要 |
低次元熱電材料の格子熱伝導率を下げるために、ナノ粒子で装飾されたナノプレートの低次元ヘテロ構造を作製した。正六角形状の単結晶ビスマス-テルルナノプレートはソルボサーマル合成で作製した。次に、様々な濃度のスズ前駆体を用いた無電解めっきにより、スズナノ粒子をビスマス-テルルナノプレートの表面に装飾した。表面形状および組成分析により、ナノプレート表面にスズが存在することが確認された。錫ナノ粒子装飾ナノプレートの面内格子熱伝導率は、スズ濃度の増加とともに低下した。スズ濃度が90 mMの場合、格子熱伝導率は1.3 W/(m-K)となり、無電解めっきを施していないナノプレートに比べて約30%低下した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノプレートのような低次元材料は、ユニークな特性を持っている。熱電材料は、低次元効果を利用して格子熱伝導率を下げることができるため、この特性の恩恵を最も受けているものの一つである。本研究では、ナノプレート表面にスズを蒸着することで、フォノンの散乱やフォノン波の抑制により、フォノンの流れが減少し、格子熱伝導率を低減させることに成功した。これらの知見は、低次元ヘテロ構造材料の熱的特性を制御するための道を開くものである。
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