研究課題/領域番号 |
20H02581
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江島 広貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00724543)
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研究分担者 |
重藤 真介 関西学院大学, 理学部, 教授 (10756696)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 金属-ポリフェノール錯体 / エクソソーム / ポリドーパミン |
研究開始時の研究の概要 |
エクソソームは様々な細胞が分泌する細胞外小胞であり、薬物送達キャリアや体液診断におけるマーカーとしての医療応用が期待されている。しかし、エクソソームは極小サイズの粒子であるため単一粒子分析が難しく、多数の粒子の平均化された情報を元に研究される場合が多い。本研究では、独自の分子技術を用いて、エクソソーム単一粒子を被包化する。被覆膜に信号増強能を持たせることで、高感度な単一粒子解析手法を確立し、エクソソームの個性解明に迫る。
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研究成果の概要 |
エクソソームは様々な細胞が分泌する直径100 nm程度の細胞外小胞である。薬物送達や体液診断への応用が期待されているが、脂質二重膜からなる不安定かつ極小サイズの粒子であるため扱いが難しいという課題がある。本研究ではエクソソームを金属-ポリフェノール錯体で被覆することで安定化できることを示した。また、被覆層を金ナノ粒子で高密度に修飾する手法も確立した。金ナノ粒子を担持したエクソソームからは単一粒子に由来するラマンスペクトルを得ることができた。同じ細胞株から精製したエクソソーム由来のスペクトルであっても違いがみられたことから、エクソソームの多様性を解析するための有効な手法になると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクソソームは細胞から細胞へ物質を届けている天然のナノキャリアであるから、この機能をハイジャックして人工的な薬物送達キャリアへと改変することは将来的に有望である。薬物送達や体液診断などの医療応用の実現にむけて、特にエクソソームが不安定であることが課題となっている。本研究ではエクソソームを被覆することで安定性を向上し、また簡単な操作で脱被覆して元のエクソソームに戻すことができる手法を開発した。本研究で開発した手法は特別な装置を用いずに実現可能であるから、安定性や分析手法が不足しているエクソソームの研究において広く利用されることが期待される。
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