研究課題/領域番号 |
20H02583
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荒磯 裕平 金沢大学, 保健学系, 助教 (20753726)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | ミトコンドリア / タンパク質輸送 / TOM複合体 / 膜タンパク質複合体 / 高速原子間力顕微鏡 / 前駆体タンパク質 / 膜透過装置 |
研究開始時の研究の概要 |
TOM複合体はミトコンドリア外膜に存在する膜タンパク質複合体である。TOM複合体はミトコンドリアへのタンパク質搬入ゲートとして機能し、サイトゾルで合成されたミトコンドリアタンパク質の約99%はTOM複合体を通ってミトコンドリアへ取り込まれる。本研究では、100ミリ秒の時間分解能とナノメートルの空間分解能で膜タンパク質の動的構造解析が可能な高速原子間力顕微鏡 (HS-AFM) 解析によって、動作中のTOM複合体のダイナミクスを解析する。TOM複合体が構造変換を繰り返しながら、多様な前駆体タンパク質を輸送する分子機構を1分子レベルで可視化し、ミトコンドリアへのタンパク質輸送機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアへのタンパク質搬入ゲートTOM複合体の過剰発現株を構築し、精製試料を用いてHS-AFM解析を行った。精製TOM複合体は溶液中で3量体構造をとり、安定なコア2量体と単量体へ解離しやすいことが示唆された。さらに観察中のTOM複合体に基質タンパク質を添加し、両者の相互作用をリアルタイム観察する実験系を確立した。様々な基質タンパク質を用いて、TOM複合体による基質認識領域の同定を試みている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TOM複合体は3量体と2量体の二つの分子種が混在した不均一状態であり、TOM複合体の機能の実態に迫るには、狙ったフォームだけを取り出して1分子解析する新規手法の確立が必要である。我々はHS-AFMを用いて3量体TOM複合体の解離と基質認識機構を観察し、従来手法では解析することの難しかったTOM複合体のダイナミクスを可視化することができた。本成果を起点にTOM複合体の新たな分子機構解明が期待される。
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