研究課題/領域番号 |
20H02584
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30253008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | ナノ粒子 / ポリグリセロール / 癌 / 腫瘍 / nanoparticle / cancer / functionalization / therapy / imaging / polyglycerol / タンパク質コロナ / ステルス効果 |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療においてナノ粒子を用いることは、腫瘍への選択的な集積により副作用を抑え、治療効果を高めると信じられてきたが、ごく最近、投与量に対して平均 0.7% のナノ粒子しか腫瘍に到達していないという数字が発表された。一方、申請者らはごく最近、表面がポリグリセロールで修飾された蛍光ナノ粒子を用いた生体腫瘍イメージングにおいて、ナノ粒子が腫瘍へ選択的に集積することを確認した。本研究では、まず、この蛍光ナノ粒子が示した優れたステルス性について検討を行う。次に、ナノ粒子表面に形成されるタンパク質コロナに焦点を当てて解明をはかる。最終的には、がんの診断・治療におけるナノ粒子の設計指針の再構築を目指す。
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研究成果の概要 |
ナノダイヤモンド(ND)と磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)をポリグリセロール(PG)で被覆し、さらにカルボキシ基、アミノ基、スルホン酸、ホスホニウムなどの各種官能基で修飾したナノ粒子に対し、まず、タンパク質コロナの生成量について検討を行った。その結果、負電荷をもつカルボキシ基は、タンパク質コロナの生成はなく、一方、正電荷をもつアミノ基には、タンパク質コロナの生成が認められた。それに伴い、細胞への取り込みも促進された。したがって、ポリグリセロール修飾ナノ粒子の腫瘍選択的集積には、負電荷をもつ官能基などを用いることで、タンパク質コロナの生成を制御することが重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポリグリセロール修飾ナノ粒子の腫瘍選択的集積の原因が明らかになれば、それがナノ製剤の新たな設計指針となり、ナノ医療の分野にパラダイムシフトを起こすことが可能である。一方。この研究成果は、癌の早期発見や治療にも繋がり、社会的にも経済的にも大きなインパクトがあると考えている。
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