研究課題/領域番号 |
20H02591
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小穴 英廣 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20314172)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | マイクロ流体デバイス / 1細胞解析 / クロマチン / 染色体 / エピジェネティクス / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
顕微鏡下・マイクロ流体デバイス内で、狙った1個の細胞から染色体を単離し、染色体に対して周囲の塩濃度を段階的に変化させながら、染色体の凝縮構造変化のリアルタイム観察を行う。これにより、染色体が部分的に解かれた形態において、凝縮部分/脱凝縮部分のクロマチンファイバーに沿った分布情報を獲得する。次いで、クロマチンファイバーに沿ったヒストンの化学修飾の分布を免疫蛍光染色によって可視化し、凝縮部分/脱凝縮部分との位置の相関を明らかにする。本研究を通じて、断片化していない長大なクロマチンを対象とした1細胞・1分子エピゲノム実験・解析技術を構築し、エピゲノム制御機構理解に資する知見獲得を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、顕微鏡下・マイクロ流体デバイス内で、狙った1個のほ乳類由来の細胞から染色体を単離して穏やかに解きほぐし、マイクロ流路中に設けた微細構造に解きほぐした染色体の両端を固定する技術を開発した。この技術をマウス由来のES細胞に適用し、染色体の脱凝縮はクロマチンに沿って一様には起こらず、解けやすい領域と解けにくい部分が共存していることを確認した。次いで、この部分的に解き解れた染色体に対して、ヒストン化学修飾に対する免疫蛍光染色を行った。そして、転写開始領域に集積している化学修飾部と染色体が脱凝縮している部分とが一致している領域があることを蛍光顕微鏡を用いた1分子観察により確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、個々の細胞から染色体を取り出し、これを解きほぐして張力が均一な直線状の形態に保持する事を実現した。これにより、クロマチン折り畳みの動態やヒストン化学修飾の分布を精度良く光マッピングすることが可能となる。本技術を用いたクロマチン解析を更に進めて画像データ蓄積・解析する事によりエピジェネティクスについての理解が深まり、病気の診断や新たな知見に基づいた再生医療やがん治療法が生まれることが期待される。
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