研究課題/領域番号 |
20H02598
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山ノ内 路彦 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (40590899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
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キーワード | 電流誘起磁壁移動 / スピントロニクス / スピン軌道相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル物質である磁性ワイル半金属においては、スピントロニクスデバイスの磁化反転手法の一つである電流誘起磁壁移動を低消費電力で実現できることが理論的に指摘されている。本研究では、フェルミ準位近傍にワイル点を有する強磁性体を用いて、ワイル点での特異なスピン軌道相互作用を反映する異常ホール効果と電流誘起磁壁移動が依存するパラメータの相関を調べることにより、ワイルフェルミオンが電流誘起磁壁移動に及ぼす効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ワイル点を有する強磁性体SrRuO3において、電流が磁壁に及ぼす有効磁場は温度に対して2つのピークをもつ特異な温度依存性を示すこと、また、その有効磁場の大きさは従来機構では説明できないほど大きいことを明らかにした。これらの実験結果と理論計算の比較から、この有効磁場の特異な温度依存性と大きさは、これまでに観測されていなかったワイル電子に起因した新機構のトポロジカルホールトルクで説明できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ワイル電子に起因したトポロジカルホールトルクを世界に先駆けて実験的に明らかにした研究であり、理想的なトポロジカル物質ではないワイル点を有する強磁性体における電流誘起磁壁移動でも、ワイル電子が重要な役割を担うことを実証した研究と考えられる。また、このトポロジカルホールトルクを用いることにより、従来機構よりも高効率かつ電気的な磁化反転が可能になるため、ワイル点を有する強磁性体を応用することにより、既存の磁気メモリの高性能化や、新規スピントロニクス現象・スピントロニクス素子に関する研究への展開が期待される。
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