研究課題/領域番号 |
20H02606
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
掛谷 一弘 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80302389)
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研究分担者 |
浅井 栄大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (00722290)
町田 昌彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主席 (60360434)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | ジョセフソン効果 / 同期現象 / レーザー発振 / テラヘルツ波 / ジョセフソン接合 / テラヘルツ / 共振効果 / 固有ジョセフソン接合 / テラヘルツ発振 / 多光子放射 / 量子操作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高温超伝導体を用いて、周波数がテラヘルツ領域の電磁波(テラヘルツ光)を高出力に放射する素子を創成する。研究代表者らがこれまでに研究を進めてきたジョセフソン効果を用いたテラヘルツ光源は、非線形振動現象が主たる放射原理であったが、これをレーザー光のような量子準位間の反転分布を伴う制動放射に切り替えることで、放射強度とコヒーレンスの劇的向上を目指す。本研究の成果は、半導体デバイスと相補的にテラヘルツ科学を発展させ、とくに低温環境が重要である量子コンピュータの重要技術を発展させるという波及効果を持つ。
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研究実績の概要 |
高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8単結晶からなる高温超伝導テラヘルツ光源において、強力な電磁波放射をもたらす同期現象を偏波観測により明らかにした。 Bi2Sr2CaCu2O8単結晶基板上に複数のメサ構造を形成し、個別メサ発振の場合と複数メサ同時発振の場合の偏光をそれぞれ観測し、同時発振状態を個別発振状態を基底とする線形結合で記述することを提案した。そこで得られる複素係数は、超伝導基板で励起されるプラズマ振動を介したメサ構造間の結合を意味し、その系統的な理解は強力な電磁波放射をもたらす同期動作を制御する結果を与える。 今年度の研究では、形状の異なる複数のデバイスについて実験を行い、行列要素の系統的な変化の抽出を試みた。ここで、同時発振を記述するための基底を個別発振の最大発振強度状態に取った結果、メサ構造間の距離と複素係数の位相差の強い相関を見出した。複数の発振器同士の結合に関する本成果は、発振器と能動的共振器の結合に関する学理につながる。それとともに、テラヘルツ領域の量子もつれ光源の可能性を示唆しており、超伝導デバイス特有の効果であるともいえる。 一方、受動的共振器との結合についても検討を進めた。既存の共振器に適合する形状の発振デバイスを設計・作製し、発振の検出を試みたところ、過去の研究では報告されていない特性の発振が観測された。新しい特性の発振は、従来型の発振より共振器との結合による発振特性の変化を観測することが容易と考えられるため、新しい研究方針の開拓と捉えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスのパンデミックに伴う外部研究機関との交流の制約により、受動フォトニック結晶共振器との結合に関する研究の進捗が予定より少し遅れている。しかしながら、能動メサ型共振器との結合に関しては、新しい研究成果が多数得られて、現在論文執筆のための解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
フォトニック結晶共振器との結合効果に関する研究を進める。また、今年度は固有ジョセフソン接合からの円偏光放射に関する数値計算の実績を有している産業技術総合研究所の浅井栄大博士を研究分担者に迎え、外部電磁場と固有接合の結合に関して、具体的な計算を進めていき、本研究の目標に到達する。
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