研究課題/領域番号 |
20H02615
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢嶋 赳彬 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (10644346)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 金属絶縁体転移 / 微細化 / 3端子素子 / モットトランジスタ / 過渡特性 / ドメイン成長 / 相転移 / 集団性 / 酸化バナジウム / 電界効果トランジスタ / モット転移 / 短チャネル / 相転移トランジスタ / シングルドメイン / ピンチオフ / スティープスロープ / 低消費電力 |
研究開始時の研究の概要 |
情報処理の低消費電力化のため、低電圧で高速動作する新しいトランジスタが求められている。その候補として、ゲート電圧で金属絶縁体転移を制御するモットトランジスタの研究を行っている。これまでの研究で低電圧動作の理解は進んでいるものの、過渡特性についての理解が不十分で高速化のための指針を立てることができない。そこで本研究では、ゲート誘起相転移の「律速過程」を解明し、高速化のための指針を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
金属絶縁体転移材料であるVO2をチャネルとする3端子素子の微細化と高速化に関する研究を行った。長チャネルデバイスでは、ゲート電圧に対して連続的な転移が見られ、ドレイン電圧を大きくするとジュール熱効果で転移が急峻化する。一方で微細化すると、ドレイン電圧にかかわらず転移が急峻化(不連続化)し、VO2チャネルの転移がシングルドメイン化したことが分かった。さらに過渡特性では、ゲート電圧に対して指数関数的に高速化する様子が見られ、その変化量は極めて大きくVO2の集団性を考慮しなければ説明がつかないことが分かった。以上のようにVO2の3端子デバイスの静特性と過渡特性に対して、包括的な理解が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲート電圧によって誘起される相転移について、ドレイン電圧の影響、微細化の影響、過渡特性といった3つの側面から包括的な理解が得られた。近年液体ゲートを用いた相転移の研究が進んでいるが、イオン液体の取り扱いの難しさからこのような系統的な実験は進んでいないのが現状である。本研究は、我々独自の固体ゲート素子を用いることで、相転移チャネルを用いた3端子素子についての理論・モデルを構築し、実験的に検証することで、今後の3端子デバイス研究の基盤を構築するものだといえる。
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