研究課題/領域番号 |
20H02617
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中辻 寛 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (80311629)
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研究分担者 |
平山 博之 東京工業大学, 理学院, 教授 (60271582)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 表面電子状態 / ビスマス超薄膜 / 光電子分光 / 走査トンネル顕微鏡 / 表面・界面物性 / 低次元電子物性 / 表面原子構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ビスマスの層状物質である黒リン構造をもつBi(110)超薄膜は、スピン偏極した電子状態を持つことが予測されており、スピントロニクスデバイスへの応用の観点からも大変興味深い物質である。本研究ではこのBi(110)超薄膜をいくつかの半導体基板上に成長させ、広範囲に均一な超薄膜を得る条件を明らかにするとともに、その電子状態及び基板との相互作用を詳細に明らかにする。これを通して、基板との界面や超薄膜の成長過程の制御による、Bi(110)超薄膜の電子状態制御を可能にするための指針を得る。
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研究成果の概要 |
黒リン(BP-like)構造をもつBi(110)超薄膜は、構造歪や荷電状態に依存した2次元トポロジカル絶縁体転移が予測されている興味深い系である。本研究ではシリコン基板上に作製したBi(110)超薄膜の構造と電子状態を角度分解光電子分光と走査トンネル顕微鏡を用いて系統的に調べ、BP-like構造をもつ超薄膜が基板上の広範囲に均一な膜厚で成長する過程を詳細な原子構造と電子状態の分析から明らかにした。また、基板のドーピングや表面の超構造によって、界面での電荷移動を制御できる可能性があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
黒リン構造のBi(110)超薄膜は、2次元トポロジカル絶縁体の候補として、その電子状態が大変興味深いにもかかわらず、研究例は少ない状態であった。本研究によってその成長過程と電子状態を詳細に明らかにできたことは、薄膜電子物性の観点だけでなく、結晶成長の観点からも学術的な意義が大きいと考えている。また、デバイス整合性のよい半導体基板を用いて将来的に半導体技術で電荷量を制御する可能性が示されたことは、社会的にも意義深いことと考えている。
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