研究課題/領域番号 |
20H02618
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
種村 眞幸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30236715)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 2次電池 / 負極 / リチウム / 透過電子顕微鏡 / その場観察 |
研究開始時の研究の概要 |
現在よりもさらに高容量、高エネルギー密度で、かつ安全性が高く低価格な二次電池開発は急務である。本研究では、その場TEM観察により得られる2次電池充放電時のLiおよび電極材料の原子レベルでの挙動解析の知見を基に、上記の要件を満たすハンドリングが容易なLi系負極の開発を行う。すでに予備実験で、種々の金属ナノ粒子を含有する非晶質炭素の室温合成手法、および、その1次元様細線に通電加熱を行うことで、含有金属の触媒作用により非晶質炭素が高結晶化する様子をその場TEM観察する手法も得ている。これをLiに適用し、Li系負極の充放電その場TEMの解析から、安全性の高い、最適結晶構造・組成のLi系負極を開発する。
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研究成果の概要 |
透過電子顕微鏡(TEM)その場観察により得られる2次電池充放電時のLiおよび電極材料の原子レベルでの挙動解析の知見を基に、安全性が高くハンドリングが容易で高性能なLi系負極の開発を行った。 イオンビーム照射手法を用い、金属Liが母材炭素中に分散するLi-Cナノ複合材膜の室温合成を行った。本Li-C複合材は、グローブボックスなどの特段の環境を必要とせず大気中での安定な取り扱いが可能であり、金属Li状態が保持された。本材料の半電池特性及びグラフェン電極とのナノ電池構成を用いたTEM観察の結果、内臓金属Liは電気化学過程に十分寄与し、電極活物質として有望であることが格子像観察からも明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低炭素社会の実現は焦眉の急であり、また近年多発する自然災害時のライフラインの確保の観点からも、現在よりもさらに高容量、高エネルギー密度で、かつ安全性が高く低価格な二次電池開発は急務である。負極材料に金属Liを用いることができれば、その先の究極の二次電池とも称されるLi空気電池への展開も可能となる。他方、金属Liは水と反応すると激しく燃焼するなど保管、取り扱いに難を有する。本研究で開発された金属Li含有Cナノ複合材は、その保管、取り扱いにグローブボックス等の特段の環境を必要としないことから実用上重要である。学術的にも全固体電池の充放電その場TEM観察技術の確立に道を拓いている点で極めて意義深い。
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