研究課題/領域番号 |
20H02624
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
木本 浩司 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 拠点長 (90354399)
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研究分担者 |
吉川 純 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (20435754)
Cretu Ovidiu 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 研究員 (60770112)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | electron microscopy / TEM / structure analysis / soft materials / EELS / electron counting / STEM / 透過電子顕微鏡法 / ソフトマテリアル / 材料評価 / 非晶質材料 / 走査透過電子顕微鏡 / 電子エネルギー損失分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
物質材料の微細構造評価は研究開発の基盤であり,数ある計測手法の中でも透過電子顕微鏡(TEM)は広範な材料に利用されている。しかしLi電池材料など軽元素を含む材料群や,原子レベルで制御されたナノ材料群では観察中の試料損傷が著しく,TEMの適用が大幅に制限されている。 本研究では,これらのいわゆるソフトマテリアル評価のため,電子を計数できる電子顕微鏡法のための要素技術開発し,広義のTEM(TEM・走査透過電子顕微鏡法・電子エネルギー損失分光法)への展開を行い,格段に高い検出精度と分析感度を目指す。
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研究成果の概要 |
透過電子顕微鏡法(TEM)は広範な材料の微細構造観察に適しているが、いわゆるソフトマテリアル群への適用は電子線損傷などから制限されている。本研究では、電子計数型透過電子顕微鏡法の要素技術を開発するとともに、各種材料への適用を行った。まず電子一個が作り出す検出器信号強度を様々な検出器群(6種)について加速電圧依存性も含めて定量計測した。次に計測結果をTEM装置にソフトウエアとして組み込み、強度を従来の任意単位から電子数へと自動変換されるようにツール化した。サブピコアンペアレベルの電流計測も可能となった。同装置を使って、結晶構造解析や局所温度計測あるいはSTEMの高周波計測などを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子計数型透過電子顕微鏡法にすることにより、STEM/TEM像観察やEELS分析等で様々な利点がある。電子を一つ一つ数えることができれば、ソフトマテリアルに対し有効な高感度計測となる。また、ドーズ量[e-/Å2]から電子線損傷を議論することが可能になり、ポアソン分布に基づき電子数Nから予想される量子ノイズ(√N/N)を議論できる。その結果、計測システムにおいて、計測ノイズと量子ノイズを個別に議論できる。本研究による電子計数型計測は、ソフトマテリアル計測における「試料損傷」「感度」「計測ノイズ」等の諸課題を解決するための基盤技術を確立したと言える。
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