研究課題/領域番号 |
20H02625
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
早澤 紀彦 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (90392076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 先端増強 / テラヘルツ分光 / 近接場 / 時間分解 / 顕微分光 |
研究開始時の研究の概要 |
「持続可能な社会」の達成において、デバイス分野では「資源が限られる中、消費と利便性を維持するため、エネルギー効率を向上させる」との課題に解釈される。太陽電池やバッテリー及び有機ELデバイス等、あらゆるデバイスにおいてそのエネルギー変換・散逸過程は、物質界面において発生する。即ち、デバイス開発に向けた物質科学において新規な機能性物質の設計及び高効率化には、階層的根幹となるサブナノメートルスケールでの表面界面物性かつその超高速ダイナミクスを評価する基盤技術が必要である。そこで本研究では、従来に無い分析計測技術を開発し、サブナノメートル時間分解能かつサブピコ秒オーダーの時間分解能を実現する。
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研究成果の概要 |
高空間分解能走査プローブ顕微鏡(SPM)と高時間分解能THz分光の融合により、高空間分解能高時間分解能を有す近接場THz分光法の開発を行った。1)ナノレーザーTHz発光分光(nano-LTEM)、2)ナノTHz時間領域分光(nano-THz-TDS)、その融合した3)ナノ光励起THzプローブ分光(nano-OPTP)を統合開発した。SPMとしてqPlus方式(金探針接着)非接触AFMを開発した。金探針の試料垂直方向への励振により近接場THz信号に変調を与え、これをロックイン検出し、近接場THz-TDS信号検出に成功した。THz-TDS信号取得時間の向上を行い、従来より100倍以上高速化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高速分光法と言われる技術は光技術を中心にフェムト秒に到る手法が数多ある。しかし、それら技術では空間分解能を犠牲としており、測定対象が均一であると仮定した平均値を検出する。超解像技術も光学技術、走査プローブ顕微鏡や電子顕微鏡などナノテクに寄与してきた技術が数多存在する。しかし、測定対象が微小化することに伴う信号微弱化のため時間分解能は犠牲となっている。半導体デバイス・分子デバイスの他あらゆるデバイスは、その機能を他種との分子レベルでの相互作用及び過渡的励起状態を介して発現している。本研究課題では超解像と超高速を両立した顕微分光手法の新たな「目」を社会に提供し、物質機能の本質的な理解に貢献する。
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