研究課題/領域番号 |
20H02627
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
山本 和生 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主席研究員 (80466292)
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研究分担者 |
吉本 則之 岩手大学, 理工学部, 教授 (80250637)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
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キーワード | 有機EL / 電位分布 / 電子線ホログラフィー / 透過電子顕微鏡 / 機械学習 / オペランド計測 / 透過型電子顕微鏡 / 有機半導体 / 電子顕微鏡 / 半導体 / オペランド |
研究開始時の研究の概要 |
現在,有機ELデバイスは,様々な分野に応用されつつあり研究開発が活発化している.しかし,有機分子を用いているがため,隣接する分子間にはエネルギー障壁があり,その結果,キャリア輸送やバンド構造は,無機半導体と比べて複雑であり,未だにその詳細なメカニズムは解明されていない. 本研究では,デバイスが発光した状態の内部の電位分布やバンド構造を,電子線ホログラフィーを用いてその場観察する技術(有機EL-Operando観察技術)を開発するとともに,デバイスの劣化/発光メカニズムを視覚的に明らかにすることを目的としている.
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研究成果の概要 |
導入した成膜装置を用いて,alpha-NPD層とAlq3層の2層からなる有機EL試料を作製した.集束イオンビーム装置を用いて,厚さ360 nmの薄片化試料を作製し,電子線ホログラフィーで2層の電位分布の直接観察を行った.その結果,電界の異なる3つの領域が形成されていることがわかった.先行研究の結果も参考にし,3つの電界領域の形成要因も解釈することができた.また,3Dテンソル分解法と呼ばれる機械学習を用いることで,従来よりも1/60の低電子線量で,電位分布を観察できる新たな電子線ホログラフィー技術を開発した.この技術を用いることで,電子線照射による有機ELの電位分布への影響が明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって,有機EL内部の電位分布を直接可視化でき,これまで未解明であった有機半導体の学理構築に大きく寄与できると考えられる.これは有機ELにとどまらず,有機系太陽電池等,有機エレクトロニクス全般にも寄与するであろう.また,今回,電子線ホログラフィーと機械学習を用いた新たな観察技術を確立した.この技術により,より高速な物理現象や,電子線に脆弱な試料も観察可能となり,半導体分野の域を超えた幅広い分野(生物分野等)にも貢献できる.我々の生活に必須である電子デバイス(PCやスマートフォン等)は機能性材料を使用しているため,より高性能なデバイス開発により,より便利な社会構築にも寄与できる.
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