研究課題/領域番号 |
20H02628
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
百生 敦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20322068)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | X線顕微鏡 / 回折格子 / 二光束干渉 / X線CT / デコンボリューション / 位相回復 / X線顕微鏡 / X線CT / 位相コントラスト / 干渉 |
研究開始時の研究の概要 |
X線光学素子の進歩により、実験室で使用できる硬X線顕微CTが実用化されている。ただし、軽元素からなる高分子材料や生体軟組織などへの感度が不十分であるという原理的問題がある。これを克服するために、X線位相イメージング技術とX線顕微鏡を融合させるX線顕微位相CTの研究を続けている。本研究では、サブミクロン周期のX線透過格子を開発し、それを搭載して究極のX線位相感度が期待できる二光束干渉顕微法を実証し、且つ、実験室X線源(回転陽極X線管)で稼働する世界初の顕微位相CTシステムを開発することを目的とする。また、高分子ブレンド相分離構造の三次元評価などへの応用を行う。
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研究成果の概要 |
フレネルゾーンプレートを用いた実験室X線顕微鏡(Carl Zeiss Xradia 800 Ultra)にX線透過格子を導入し、Talbot効果で形成される自己像が試料によって変位することを利用した位相コントラストモードを付加した。縞走査法による位相計測において、正負逆符合の位相像が特定距離ずれて重なり合う二重位相像が生成されるので、これから単純位相像を再構成する複素デコンボリューション法を開発した。これにより、試料によるX線(1.54Å)の位相シフトを顕微鏡下で画像化することができた。また、残留アーチファクトが軽減される格子設計(周期やduty比など)を再検討し、画質向上のための指針を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のX線画像は試料によるX線の吸収によってコントラストが形成されている。たがって、高分子材料や生体軟組織のX線画像には十分な感度が期待できない。この問題を克服する技術としてX線位相コントラストに基づく位相イメージング技術がある。 本研究は、X線透過格子を用いた位相イメージング技術を導入し、X線顕微鏡による高分解能撮影においても高感度化を実現することを目的とした。顕微鏡学観点でも、光学顕微鏡や電子顕微鏡で使われていない独自の光学系と画像処理手法を開発したことは特徴的である。また、社会的には高分解能で三次元観察を高感度で実現するシステムになるので、様々な研究・開発に有用な機器を提供することになる。
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