研究課題/領域番号 |
20H02662
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沖田 泰良 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (50401146)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | モンテカルロ法 / 結晶欠陥 / 拡散 / カスケード損傷 / on-the-fly モンテカルロ法 / 結晶欠陥拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
各時間ステップごとに、発生しうる現象及びその発生頻度を探索し、その探索結果から乱数を用いて確率的にイベントを選定することで時間を進める方法であるon-the-fly kinetic Monte Carlo法を用いて、複雑な原子の拡散過程を取り扱いつつ、分子動力学法よりも長い時間スケールの現象を再現する手法を構築する。これにより、原子スケールの精度を有しつつメゾ時間スケールを再現することが初めて可能となる。開発した手法を、高エネルギー粒子照射下で形成する欠陥集合体に適用し、分子動力学計算結果を入力値とし安定形態への変化過程を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、各時間ステップで活性化過程探索(SPS)を行い、state-to-stateダイナミクスに基づき時間を進展させる計算手法の一つであるSelf-Evolving atomistic kinetic Monte Carlo に対し、SPSを高速化させる2つのスキームを開発することで、原子レベルの精緻性を保持しつつ分子動力学で扱えるよりも長い時間スケールの現象を再現する手法を構築した。また、同法を高エネルギー粒子照射環境で形成する自己格子間原子集合体に適用し、複数回の原子拡散を伴って安定形態である積層欠陥転位ループや完全転位ループに変換する過程を世界で初めて確認することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の分子動力学(MD)では時間スケールが通常100ピコ秒オーダーであったため、再現できる現象が極めて限られていた。しかしながら、本研究で開発した手法はMDと同等の精度を確保しつつ、時間スケールを大幅に拡張することも可能なため、原子レベルの挙動に基づいて複数回の拡散過程を伴うナノ組織発達を解析する上で大変強力な手法と考えられる。
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