研究課題/領域番号 |
20H02668
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲垣 八穂広 九州大学, 工学研究院, 准教授 (80203199)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 高レベルガラス固化体 / 地層処分 / 性能評価 / ガラス溶解・変質 / 速度論的評価 / マイクロチャネル流水試験 / Si-29同位体 / 超長期溶解挙動 / 基礎科学的評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「高レベルガラス固化体」の地層処分における超長期にわたる放射性核種閉込め性能についてより現実的で信頼性の高い評価を行うために、新しく開発した「マイクロチャネル流水試験法」および「Si-29同位体」を用いて模擬ガラス固化体の溶解/変質試験を実施し、超長期に対応するシリカ(SiO2)溶存溶液条件を含む様々な環境条件でのガラス溶解/変質挙動を精密に測定評価することで、超長期ガラス溶解の機構理解を含む速度論的評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の地層処分における超長期にわたる放射性核種閉込め性能について、より現実的で信頼性の高い評価を行うための「科学的基礎」の確立を目的とし、新しく開発した「マイクロチャネル流水試験法」および「Si-29同位体」を用いたガラス固化体の溶解/変質試験により、これまで精密な測定が困難であった様々な環境条件でのガラス溶解速度を精密に測定評価した。それらの結果を基にガラス溶解の速度論的評価を行い、ガラス固化体の溶解速度を律速するメカニズムがこれまでのシリカの一次溶解則の様な単一の素反応ではなく、複数の素反応が複雑に相関する過程であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子力発電で発生する高レベル放射性廃棄物は、化学的に安定な形態であるガラス固化体とし、最終的には安定な深地層中に埋設処分(地層処分)される計画である。地層処分の充分な安全性を確認する上で、ガラス固化体の放射性廃棄物保持性能、すなわちガラスの地下水への溶解速度を正確に評価することが重要になる。ガラスの溶解速度は温度、地下水組成、pH等の環境条件により複雑に変化するため、様々な環境条件でのガラス溶解速度を正確に測定し体系的に評価することが必要となる。本研究では、これまで測定されていなかった様々な環境条件での溶解速度を新たな試験手法を用いて正確に測定評価し、安全性確認のための基礎データを拡充した。
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