研究課題/領域番号 |
20H02688
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山崎 優一 東京工業大学, 理学院, 准教授 (00533465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 分子軌道 / 波動関数 / クラスター / 電子分光 / 物理化学 |
研究開始時の研究の概要 |
物質の構造、機能性、反応性など多様な性質一般は物質内の電子の振る舞いにより支配される。本研究では、物質の基本構成要素である原子や分子が少数で相互作用している系に対し、その相互作用をつかさどる電子の運動量分布を計測する新手法を開発する。これにより分子間での電子の共有・授受の様子を可視化し、分子間に働く力の起源について従来のエネルギーとは異なる視点から研究を可能とする相互作用電子イメージング法の開拓を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、分子間相互作用の電子レベルでの実験的解明を目指し、電子コンプトン散乱の運動学的完全実験を利用して分子軌道ごとの電子の運動量分布を調べる電子運動量分光の飛躍的発展を図った。その結果、従来の同型装置と比べて約2桁も信号捕集効率を向上させ、さらに電子束縛エネルギーの分解能を2倍以上に改善することが可能な新規高感度装置を開発した。また、内殻軌道の高精度な電子運動量分光実験に成功する、時間分解電子運動量分光データから反応中間体の寄与を明らかにするなどし、希薄で異性体が複数存在する分子集合体の軌道イメージングへ向けた基礎を築いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子間相互作用は物質のほぼすべての性質に深く関わっており、その起源を電子レベルで解明するための多くの努力がこれまで払われてきている。本研究の意義は、原子・分子が数個集合したクラスターの分子間結合について、これまでもっぱら研究されてきているエネルギー的側面ではなく、軌道形状(電子分布)に焦点をあて、従来とは異なる視点から分子間相互作用の基礎的理解を得ようとすることにある。本研究により、クラスターの分子軌道イメージングに不可欠な実験的基礎を確立し、今後、本手法を実際の系に応用することにより分子間相互作用の起源に迫ることができると期待される。
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