研究課題/領域番号 |
20H02694
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 浩之 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80300862)
|
研究分担者 |
山田 剛司 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (90432468)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
|
キーワード | HOMO-LUMOギャップ / 導電特性 / 光学特性 / 光電子分光法 / 走査トンネル顕微/分光法 / 差分反射分光法 / 光電子分光 / 光学吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
分子超薄膜内を電荷が移動するとき、最高占有軌道(HOMO)/最低非占有軌道(LUMO)には符号の異なる電荷(それぞれ正孔/電子)が流れるため、電極基板から受ける静電的な相互作用が異なり、両分子軌道間のエネルギー準位差が変化する。これはギャップリノーマリゼーションと呼ばれしばしば議論されてきたが、未だ十分な理解には至っていない。そこで本研究課題では、表面吸着分子におけるHOMO/LUMO準位を基板からの距離の関数として直接観測すると共に、同一の分子超薄膜に対し基板-分子間の導電性や分子膜の光学吸収特性を計測して、ギャップリノーマリゼーションがおよぼす分子物性への影響について総合的な解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
分子膜内を電荷が移動するとき、最高占有軌道(HOMO)準位および最低非占有軌道(LUMO)準位にはそれぞれ正孔/電子が流れるため、電極基板から受ける静電的相互作用が異なり、両軌道間のエネルギー準位差が表面からの距離に依存して変化(ギャップリノーマリゼーション)する。しかし、この現象の十分な議論はなされていなかった。そこで本課題では、機能性自己組織化単分子膜におけるHOMO/LUMOの各準位および物性(導電性や光学特性)を、それぞれ測定できる装置を構築し、総合的な実験からこの影響を解明することを目指した。成果として、ギャップリノーマリゼーションの解明に向けた各種の装置を構築することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子デバイスにおいて、分子が求められる物性は導電性や吸光/発光特性であり、分子のHOMO準位およびLUMO準位の正確な情報が欠かせない。しかし、電極近傍のギャップリノーマリゼーションの影響については、十分な議論がなされていなかった。その要因として、電子状態変化と分子物性(導電性や光学特性)変化を直接的に結びつける研究が希薄だったことにある。特に、分子薄膜の物性を表面からの距離の関数として計測する研究は限られており、これを総合的に研究する術を構築することは、物性科学における基礎と応用の両面から重要と思われる。本研究課題では、既にある装置の改良や新奇装置の構築を進め、この解明を目指した。
|