研究課題/領域番号 |
20H02700
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
井村 考平 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80342632)
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研究分担者 |
長谷川 誠樹 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (50962487)
今枝 佳祐 北海道大学, 理学研究院, 助教 (30754717)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | ナノ物性 / 光場制御 / 光励起状態 / エネルギー伝達 / ナノ物質 / 光場操作 |
研究開始時の研究の概要 |
物質機能やエネルギー伝達を精緻に制御することは,科学技術における究極的な課題の一つです。この目標を達成するためには,従来の枠組みを超えた制御法の構築が不可欠です。サブ波長スケールのナノ物質は,光を空間的また時間的に閉じ込めて光の場を増強します。この増強した光の場を使うと,物質に新しい特性を誘起することができます。しかし,その学術的追求は,はじまったばかりで十分ではありません。本研究では,光の場を自在に操作することにより,物質機能とエネルギー伝達を制御することを最終目標としています。
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研究実績の概要 |
本研究では,励起光場の空間と偏光ベクトルの操作により,物質の光励起状態とエネルギー伝達の制御を実現し,物理化学に新学理と研究分野を開拓することを目的とする。これまでに金ナノプレートを対象とした研究から,励起光場の空間制御により,可視化される二光子励起像の空間特性や発光強度が変化することが明らかとなっていた。一方,可視化される励起像の空間特性を理論的に説明するには至っていなかった。本年度は,ナノ物質の光励起状態制御の基盤技術の確立するために,軸対称偏光を用いた状態制御と励起像の電磁気学シミュレーションを行った。例えば,金ナノ物質を対象としてラジアルやアジマス偏光を入射光に用いることで,励起光の空間特性を反映する特徴的な励起像が観測されることが明らかとなった。また,電磁気学シミュレーションでは,空間制御した集束光による励起像の計算を可能にした。これにより,実験結果を定性的に再現可能であること,光場制御によりナノ物質の光励起状態制御が実現することを明らかにした。 これまでの光場制御の研究では,主に単一のナノ物質の光励起状態を対象としていたが,あらたにナノ物質に誘起される光場と別の物質とを相互作用させた系の研究を進めた。遷移金属ダイカルコゲナイド二次元薄膜と金ナノロッドのハイブリット体の顕微分光計測から,プラズモンに起因する発光増強が起こることが明らかとなった。シリコンナノ粒子と金ナノ構造のハイブリット体では,SiのMie共鳴により光電磁場の増強が起こり,これが散乱光の異方性に大きな影響を及ぼすこと,これを利用することでマクロな伝達制御につながる可能性があることが明らかとなった。さらに,Siナノ粒子集合構造に,光場制御を導入し,励起光の空間特性により,発光特性が変化することが明らかとなった。以上の研究により,局在光場による新規光学特性の実現と,光場制御による光物性制御を実現した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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