研究課題/領域番号 |
20H02705
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
佐藤 弘志 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (20598586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 多孔性材料 / 結晶 / トポロジカル結合 / カテナン / 力学特性 / トポロジカル結合結晶 / 機械的特性 / 多孔性結晶 / 金属ー有機構造体 / 多孔性 / 機械特性 |
研究開始時の研究の概要 |
「トポロジカル結合」では、構成ユニット(リング状、棒状)間での直接的な結合は形成されておらず、応力が加えられると構成ユニット同士の相対位置は柔軟に変化する。トポロジカル結合を用いた従来の材料開発では、トポロジカル結合は材料内部でランダムに配置されていた。一方、本研究では、トポロジカル結合が材料内部で精緻に配列した結晶材料の創成と機械的特性の解明を目的とし、本来相容れない「結晶性」と「適応性」を併せ持つ新材料の創出と学理の構築を行う。
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研究成果の概要 |
本研究を通じて、リング状分子が鎖状につながったカテナン分子と金属イオンを溶媒中で加熱することで、カテナン分子が配位結合によって3次元的に配列させた結晶を作製することに成功した。単結晶X線構造解析などの手法を用いてこの結晶の構造を調べたところ、結晶の90%以上がカテナン分子からできていること、多数の微小な穴が空いた構造をしていること、温度変化に伴って構造を変えることなどが分かった。さらに、外から力を加えると形が変わり、力を除くと元の形に戻ることから、結晶でありながらまるでゴムのような驚くべき性質を示すことも分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回得られた結晶は、二酸化炭素などのガス分子を内部に取り込むことがわかっており、CO2吸着ならびに等温線において、ヒステリシスを示す。このことは、ガス分子吸着に伴い細孔構造が変化していることを示唆している。機械的な結合を持つパーツの設計を工夫することで、さらに小さな力で変形する結晶作製が可能と考える。将来的には、二酸化炭素のようなガス分子を効率良く取り込んだり放出したりできるスポンジのような結晶、多孔性材料の開発につながるものと期待する。特に、機械的な刺激で簡便に二酸化炭素を放出可能な材料開発を目指している。これにより、革新的な多孔性材料やヒートポンプとしての応用が期待できる。
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