研究課題/領域番号 |
20H02706
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 富山大学 (2022-2023) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
西 弘泰 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (70714137)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | プラズモン共鳴 / プラズモン誘起電荷分離 / 光触媒 / 金属ナノ粒子 / 光ナノ加工 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまでにない革新的な設計指針でプラズモニック光触媒を高効率化し、外部バイアスの印加なしに水の完全分解を達成することを目的としている。具体的には、「多重極子振動モード」、「バンド間遷移」、「半導体フリー」をキーワードとし、プラズモン誘起電荷分離現象における熱電子・熱正孔の生成効率の向上と酸化力の増大を目指す。これらのキーワードは、プラズモニック光触媒の高効率化の設計指針としてこれまで注目されてこなかったもの、または一部の研究で触れられてはいるが、詳細かつ系統的な検討は行われてこなかったものであり、本研究によって同光触媒の設計指針が根本的に見直されると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまでにない設計指針でプラズモニック光触媒を高効率化することを目的とする。特に、光を使ってプラズモニックナノ粒子を微細加工する光ナノ加工や高次のプラズモン共鳴モードを駆使し、高効率に光触媒反応を駆動できる系を構築することを中心として研究を行う。光ナノ加工に利用できる反応を精査した結果、ナノ粒子上での酸化反応機構に関する知見が得られ、還元反応も適用できることが明らかになった。また、光ナノ加工を利用することで助触媒の導入部位を制御し、電荷分離効率を向上することにも成功した。特定の高次モードが高い電荷分離効率を示すことも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年注目されているプラズモニック光触媒の新たな設計指針を得ることができる点で有意義である。光触媒という観点だけでなく、プラズモン誘起電荷分離現象の酸化反応機構に関する知見や、高次のプラズモン共鳴モードの影響などといった、プラズモン共鳴が関わる諸現象に関する学術的な知見が得られる点も意義深い。さらに、光を使いながらも光の回折限界を超えたサイズ領域でナノ粒子を加工する「光ナノ加工」を中心として研究を展開しているため、形状やサイズなどの制御が非常に重要なナノ粒子・ナノ構造を取り扱う研究全般に本研究で得られた知見が波及していくものと考えられる。
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