研究課題/領域番号 |
20H02711
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
荒谷 直樹 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60372562)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 有機合成 / π共役系 / 有機半導体 / ナノカーボン / 曲面π共役系 / 曲面π電子系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題『特異な電子状態を発現するナノカーボン分子の設計と創成』は、実空間での原子配置が一義的に確定できるナノカーボン構造の構築を目指し、分子レベルの構造としては依然として完全に制御できない一連のナノカーボン化合物群を、有機合成化学的にボトムアップ手法で構造明確な分子として合成する。表裏二面性/一面性を有するナノカーボンベルトの合成と物性探索から、優れた電子物性を示す構造明確な一連の分子性カーボン材料を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究課題『特異な電子状態を発現するナノカーボンの設計と創成』は、実空間での原子配置が一義的に確定できるナノカーボン構造の構築を目指した。PAHを構成ユニットとしてホモカップリングやクロスカップリング反応を駆使して、様々な結合位置をもつ一連の直接結合型PAH多量体の合成に成功し、それぞれのユニークな構造に由来する特異な機能の発現を明らかにした。大きな歪みエネルギーを駆動力とした反応や空孔を利用したホスト-ゲスト化学、不斉ねじれの発現、加熱による構造変換の制御など、シクロアリーレン特有の物性を見出した。本研究により、対称性の低下による電子機能の異方性化も端緒についた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重層的なPAHの研究はπ-π相互作用の解明、エキサイマーの化学など純粋科学的な側面にとどまらず、巨大な非線形光学効果が期待できるため光通信デバイスなど応用面でも非常に重要であり、早急かつ強力に進められるべき喫緊の研究課題である。これについて理論ではなく、実在分子による明確な証拠の提示は、学術的に大変重要である。有効なπ共役を達成することにより、導電性の向上、吸収や発光特性(電子状態)の制御、レドックス活性の利用など、様々な機能性を生み出すことができ、スマート社会の通信を支える低消費電力・高機能性材料を提供できる。
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