研究課題/領域番号 |
20H02713
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
楊井 伸浩 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90649740)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | フォトン・アップコンバージョン / 光物性 / 励起三重項 |
研究開始時の研究の概要 |
長波長光を短波長光へと変換するフォトン・アップコンバージョンはエネルギーからバイオロジーまで幅広い分野に貢献しうる。しかしながら、太陽光程度の低い励起光強度で高効率なフォトン・アップコンバージョンを達成することは未だ困難である。本研究では効率の良い三重項の増感法や高速な三重項エネルギー拡散などを駆使し、この目標の実現を目指す。またその中で励起三重項の自在な発生と利用に関する学術的基礎を構築する。
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研究成果の概要 |
低エネルギー光を高エネルギー光に変換するフォトン・アップコンバージョン(UC)を太陽光程度の低い励起光強度で高効率化することは困難であった。また、可視光から紫外光へのUCは光触媒や有用化合物の製造などに重要であるが、効率が低かった。本研究では増感剤と発光体が相分離する問題を電荷移動(CT)錯体の生成により解決し、固体中で緑色光から青色光、青色光から紫外光という二種類のUCを達成し、一般性の高い手法として確立することに成功した。更に新規色素の開発により可視光から紫外光へのUCとして最も高い効率を達成し、太陽光程度の弱い励起光の利用を可能にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体中でのフォトン・アップコンバージョン(UC)は太陽電池や光触媒などのデバイスへの応用において重要であり、本研究で開発した新しい励起三重項生成法は固体中において様々な波長を高効率に変換する一般的な手法となりうる。また、本研究において可視光から紫外光へのUCの効率を過去の報告より大幅に増大させ、太陽光や室内光程度の弱い励起光を利用可能にしたことは、人工光合成や有用化合物の製造、殺菌や水中の有害物質の分解といった多様な応用に繋がる重要な基礎的知見が得られたと考えられる。
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