研究課題/領域番号 |
20H02715
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
手木 芳男 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 客員教授 (00180068)
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研究分担者 |
藤原 正澄 岡山大学, 自然科学学域, 研究教授 (30540190)
松下 未知雄 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (80295477)
鐘本 勝一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40336756)
仕幸 英治 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (90377440)
吉田 考平 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 博士奨励研究員 (20845789)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | πラジカル / ペンタセン誘導体 / πトポロジー / 光耐久性 / 電界効果トランジスタ性能 / 励起状態ダイナミクス / 有機半導体 / 励起状態制御 / πラジカル材料 / 電界トランジスタ / 電気的検出ESR / 励起状態スピンダイナミクス / 電解効果トランジスタ / ホール移動度 / 電界効果トランジスタ / 有機半導体素子 / 励起スピン状態制御 / TIPS-ペンタセン / 増強系間交差 / 励起状態スピン制御 / 有機エレクトロニクス素子 / スピンダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
広いπ電子系を有する有機半導体材料は、光に対して脆弱であるという課題が存在する。本研究では、申請代表者らがこれまでに蓄積したπラジカルの励起状態の知見をもとに、分子内のπ電子軌道のつながり方を利用して励起状態のダイナミクスをスピン状態で制御することにより上記の課題を克服し、高い光耐久性と機能性を有する革新的π電子材料を創生する。先端的スピン計測により励起状態ダイナミクスとキャリアダイナミクスの解明も行い、励起状態スピン制御に関する学術的知見をえる。更に、それらのπラジカル材料を有機エレクトロニクス素子へ展開する目的で電界効果トランジスタ素子を作成し、半導体材料としての基本特性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
πトポロジーを利用して励起状態ダイナミクスを制御したπラジカル材料を合成し、それらが光耐久性に及ぼす効果を評価した結果、光耐久性と正孔輸送能の高い有機半導体材料として知られているTIPS‐ペンタセンと比較して100倍以上の著しい光耐久性を有するペンタセン-ラジカル連結系の開発に成功した。 それらの有機エレクトロニクス材料としての有用性を評価する目的で、電界効果トランジスタ素子を試作して性能評価を実施した。同様の条件下で作製したTIPS‐ペンタセン薄膜と比較して移動度が約1桁程度小さかったが、電流の増幅比は同程度である事が確認され、有機半導体材料として有効に機能する事を実証できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペンタセン骨格を有するπラジカル連結系の分子内のπトポロジーを利用して励起状態ダイナミクスを制御する事により、有機半導体の代表的な物質であるTIPS-ペンタセンを遥かに凌駕する光耐久性が実現できた点は、学術的意義が高いと判断される。また、それらの光耐久性を向上したπラジカル材料が、有機電界効果トランジスタ性能を示し、比較的高い正孔輸送能と電界効果トランジスタとしての増幅特性を実証できた点は、πラジカル材料の有機半導体材料としての有望性を明瞭に示す結果であり、その社会的意義は高いと思われる。
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