研究課題/領域番号 |
20H02721
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
豊田 真司 東京工業大学, 理学院, 教授 (80207646)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 芳香環 / 構造空間設計 / 大環状分子 / らせん分子 / パイ共役系化合物 / ホストーゲスト / ケージ分子 / キラル光学特性 / ケージ化合物 / ホスト-ゲスト / 分子機能 / 超分子 / キラル分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は,芳香環の部品を組み合わせて分子の構造や空間を自在に設計し新しい化学物質を創製する芳香環ナノアーキテクトの発想に基づき,主にアントラセンユニットを集合,縮合することにより特異な構造や性質をもつ大環状およびらせん形の構造をもつパイ共役系化合物を設計することである.標的化合物を有機化学的な手法で合成し,パイ電子系に特有な構造や電子状態を解明し,分子認識,キラリティーなどを鍵とした機能への展開を目指す.
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研究成果の概要 |
芳香環を組み合わせて分子構造や空間を自在に設計し,新しい化学物質を創製する「芳香環ナノアーキテクト」の発想に基づき,大環状およびらせん形パイ共役系化合物を対象として研究を行った. 大環状化合物については,種々のアントラセンユニットを用いてリングおよびケージ形分子を合成した.リングよりケージの方がフラーレンゲストを強く包接すること,ケージ中でゲスト分子が回転挙動を示すことを明らかにした.らせん形化合物については,新規拡張ヘリセン誘導体として,最高5個のアントラセンを縮合した化合物を合成し,構造と物性を調べた.一部の誘導体のエナンチオマーを分割し,特異なキラル光学特性を示すことを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大環状化合物では,芳香族ユニットからなるリングやケージが炭素に結合した水素とパイ電子間の相互作用を推進力としてフラーレンゲストを包接することを明らかにした.らせん化合物では,高度に巻いた拡張ヘリセン誘導体の合成およびエナンチオマーの分割に成功した.これらの成果は構造有機化学や超分子化学の分野において,グラフェン関連の多環式芳香族化合物の構造や物性を理解するために学術的に重要であり,新しい分子設計の指針を示したものとして意義がある.
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