研究課題/領域番号 |
20H02723
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 章弘 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (30584263)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | ラジカル / ジラジカル / 基底三重項 / ケクレ炭化水素 / 非ケクレ炭化水素 / キノジメタン / ジラジカルカチオン / 近赤外発光 / 双性イオン / 開殻 / 三重項 / ビラジカル / 炭化水素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、m-キノジメタン構造を基盤とする開殻性π共役分子の研究として、1) ヘテロ原子によりπ共役双性イオンの基底スピン多重度を制御し、電子構造と物性を解明すること、2) 含ヘテロ原子π共役双性イオンの高い反応性を利用して、新規π共役分子の合成法を開発すること、3) 基底三重項の縮合多環炭化水素を合成し、電子構造と物性を解明すること、に取り組む。不対電子の相互作用を制御し、基底状態が高スピン状態になる方法を示すことにより、今後の高スピンπ共役分子の研究に大きな影響を与えると期待される。
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研究成果の概要 |
m-キノジメタンの不対電子の相互作用を制御することにより、ジラジカルの基底スピン多重度を制御できると着想して研究を行った。m-キノジメタンを基盤とする基底三重項の縮合多環炭化水素として、非ケクレ炭化水素であるトリアンギュレン誘導体および窒素ドープトリアンギュレンカチオン誘導体と、ケクレ炭化水素であるビスジベンゾ[3,4:5,6]シクロヘプタ[1,2-a:2,1-d]ベンゼン誘導体の合成と単離に成功した。基底三重項の縮合多環炭化水素を初めて結晶として単離することに成功し、基底三重項ジラジカルの近赤外発光を初めて見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで基底三重項の縮合多環ジラジカルは不安定であるとされてきたが、本研究ではその常識を打ち破り、様々な基底三重項のジラジカルが単離可能であり、空気中で取り扱えるほど安定なジラジカルも存在することを明らかにした。不対電子間に働く強磁性的相互作用は非常に大きく、室温でも不対電子の向きが揃っており、また、優れた光学的および電気化学的性質を示すことを明らかにしており、今後の機能性磁性材料への応用の可能性を示す研究であると考えている。
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