研究課題/領域番号 |
20H02739
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三浦 智也 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (10378804)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | C3対称 / 光学活性シクロファン / シクロプロパン / 不斉合成 / ロジウム / 不斉脱芳香族化反応 / 多孔性材料 / 不斉アルドール反応 / トリアゾール / アニオン補足型触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
C3対称性を持つ有機分子の化学は、一般にその合成手法に乏しいことが主要因でほとんど手つかずの状態であります。筆者は最近、自らが開発した反応を用いて、C3対称性を持つ光学活性シクロファンを完全な光学純度で不斉合成できることを報告いたしました。本研究では、このC3対称性を持つ光学活性シクロファンを基本骨格として、(i) アニオン補足型触媒による直接的不斉アルドール反応の開発、(ii) 水素ガスや二酸化炭素ガスを吸着する多孔性材料の開発を目指します。そのため、まず、合成に必要な不斉反応の改善を図ります。さらに、様々なスペーサー部位を持つ光学活性シクロファンのライブラリー構築を行っていきます。
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研究成果の概要 |
本研究では、トリアゾールを反応剤とする合成手法を用いた環化3量化反応を鍵に、チオフェン環をシクロプロパンで挟んだC3対称性を持つ環状[3]チエニレンシクロプロピレン(チオフェン環そのものの非対称性、すなわち硫黄原子の位置の違いにより不斉誘起された新規螺旋型化合物)を不斉合成しました。様々な組み合わせを試みたところ、置換様式によって環化3量化や環化2量化反応が進行することを見出しました。また、新たな光学活性シクロファンとしてテトラマー([4]CPPC-CHO)の合成を行いました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「C3対称性」を持つシクロファンは一般に合成が難しく、研究が立ち後れているのが現状であります。本研究では、触媒反応により「C3対称性」を持つ[3]CPPC を不斉合成し、この光学活性体を用いて様々な応用展開を行いました。未だ基礎研究の範疇を超えるものではありませんが、キラルな構造とキラルな構造が与える物性には興味が尽きず、本研究が機能性材料の開発において新しい設計指針を与えることになればと期待しています。
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