研究課題/領域番号 |
20H02740
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 正治 京都大学, 化学研究所, 教授 (00282723)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 鉄触媒 / 選択的合成 / クロスカップリング反応 / カルボメタル化反応 / 鐵触媒 / 有機合成 / 化学反応 / 量子効果 / 元素戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,系間交差およびLondon分散力という量子力学的現象(以後,量子効果)を制御因子とした高選択的な鉄触媒クロスカップリング反応を開発し,反応機構研究を並行することで量子効果が反応に及ぼす影響を検証し,その起源を明らかにする。また同仮説に基づいた新規の配位子の設計と合成を行い,高立体選択的な鉄触媒有機合成反応の開発に取り組む。系間交差や分散力などの量子効果を活用する反応制御は,鉄のみならず,マンガン,ニッケル,コバルト,銅など元素戦略の観点から注目を集める3d金属触媒反応全般に応用可能な概念であり,波及効果が期待できる。
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研究成果の概要 |
スピン多重度の異なるポテンシャルエネルギー表面間での遷移=系間交差を利用した反応の促進や基質分子間および配位子との間に生じる London分散力を活用することで,合成化学的な魅力に富む高選択的鉄触媒クロスカップリング反応を開発した。鉄触媒クロスカップ リング反応に対する反応機構解析に基づく量子効果の検証を行い報告した。(Sharma, et al., Molecules 2020,25,3612). 同知見を元にエナンチオおよびジアステレオ選択的鉄触媒カルボメタル化反応の開発に成功し報告した。(Adak et al., Chem. Commun., 2021, 57, 6975-6978)
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境負荷および毒性など生態系に優しい金属元素である鉄を用いて,これまで稀少金属でしか出来ないと考えられてきた選択的な有機合成反応が可能であることを示すと同時に,分子科学および量子化学の最先端である量子効果を考慮した反応開発の有効性を示すことが出来た。これは次世代の化学産業に対する学術的・技術的な発展基盤を提供するものである。
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