研究課題/領域番号 |
20H02742
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
劔 隼人 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (60432514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | セリウム / 光触媒 / カルボン酸 / 脱炭酸 / 酸素酸化 / 酸素化反応 / クラスター錯体 / ヒドラジン化反応 / 多核錯体 / ジルコニウム / クラスター / 光励起 / アルコール |
研究開始時の研究の概要 |
有機合成化学における重要な分子変換反応である酸化反応には、従来、毒性の高い金属塩や爆発性のある過酸化物が酸化剤として用いられており、反応後に生じる多量の廃棄物が問題とされてきた。本研究では、最も入手容易で安全、かつ、反応後の副生成物が水のみである酸化剤として、常圧空気中の酸素を用いて、高難度な酸化反応を実現する革新的な触媒として「多核セリウム錯体」を開発する。特に、多核錯体に含まれる金属の数や組み合わせを様々に変え、高活性や高選択性を発現する多核錯体触媒を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
酸素分子は最も入手容易な酸化剤であり、酸化反応に伴って生成する副生成物も水など無害な物質である。今回、酸素分子を酸化剤として用いる方法として、光触媒作用を示すセリウム錯体を用いてカルボン酸の脱炭酸により有機ラジカルを発生させることで、酸素分子との反応によりアルコール類が得られることを見出した。また、その触媒活性がセリウムと他の金属イオンを組み合わせた複合系により高活性化することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セリウムが可視光での光触媒機能を発現する要因を明らかにするために反応活性種である多核セリウム錯体を単離し、その構造の同定と分光分析、およびDFT計算によって、セリウムに結合するカルボキシラート配位子から、エネルギー的に低い位置にあるセリウムの空のf軌道への遷移がラジカル形成の鍵となっていることを見出した。本知見は、地球上で無尽蔵に利用できる光エネルギーを化学エネルギーに変換するための触媒設計としてセリウムが有用であることを示しており、今後の光触媒開発における設計指針を提供するものである。
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