研究課題/領域番号 |
20H02744
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
北村 充 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10313199)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | ジアゾ化合物 / アジド化合物 / カルベン / ジアゾ移動反応 / ジアゾキノン / 複素環 / ジチオ炭酸エステル / 芳香族 |
研究開始時の研究の概要 |
単環のベンゼン誘導体から多環芳香族炭化水素(PAH)まで,芳香族骨格を有する生理活性物質や機能性材料は多い。これらの材料開発を迅速に進めるには,多置換芳香族化合物を自在に合成する手法の開発は必須である。ジアゾキノンは,活性化基となるジアゾ基を内在する芳香族ユニットで,これを用いれば,置換芳香族化合物を自在に合成できるようになると期待される。本研究ではジアゾキノンの合成,反応開発,応用の実証を行い,ジアゾキノンをモチーフとして,新しい芳香族合成化学を開拓するものである。
|
研究実績の概要 |
単環のベンゼン誘導体から多環芳香族炭化水素(PAH)まで,芳香族骨格を有する生理活性物質や機能性材料は多い。これらの材料開発を迅速に進めるには,多置換芳香族化合物を位置選択的に自在に合成する手法の開発は必須である。ジアゾキノンは,活性化基となるジアゾ基を内在する芳香族ユニットであり,これを 用いれば,置換芳香族化合物を自在に合成できるようになると期待される。特にこれまで合成が難しかった多置換フェノールや,医薬品,新型π系化合物などの機能性物質の合成法を短工程で提供できるようになる。本研究は,1)ジアゾキノンの簡便な合成法の開発,2)多置換芳香族化合物や材料を指向したジアゾキノンの反応開発,3)開発した反応を用いる有用機能性物質の合成,を目的とし,ジアゾキノンを中心とする新しい芳香族合成化学を確立しようとするものである。 本年は,金属触媒を用いジアゾナフトキノンとグリシドールや二硫化炭素などの求核剤との反応を試み,新しいジオキサン化合物やジチオ炭酸エステルの合成法を開発することができた。グリシドールとの反応では,まず,ジアゾキノンと金属触媒との反応により金属カルベンが生じ,これがグリシドールのヒドロキシ基と反応してOH挿入が進行した。続いて,生じたフェノール部位が,グリシドール由来のエポキシド部位と反応し,環化が進行して,ジオキサン化合物が生じたと考えている。 また,コロネン型のジアゾキノンの合成に成功し,それから,カルベンを経由してスマネン-コロネン型化合物を合成できることを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り順調に結果が得られており,ジアゾキノンを用いた反応開発や,反応を利用した材料につながる新しい芳香族化合物の合成を行うことができているため。
|
今後の研究の推進方策 |
ジアゾキノンを用いた反応開発とその反応を利用した有用物質の合成に取り組む。反応開発については,光や金属錯体を作用させ,置換フェノールや複素芳香環 の合成を検討する。また,有用物質の合成に関して,ジアゾキノンを利用したπ系材料の開発や,芳香族生理活性天然物の合成の検討を進める。
|