研究課題/領域番号 |
20H02757
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
有川 康弘 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (30346936)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 亜硫酸イオン / 還元活性化 / 多電子還元 / 硫黄酸化物 / 金属酵素 / 二核錯体 / ピラゾリルボラト / ルテニウム / 異性化 / 硫黄 / オキソアニオン / 還元サイクル |
研究開始時の研究の概要 |
自然界では、金属酵素が小分子の活性化を、常温/常圧という条件下でいとも簡単に行っている。これら金属酵素の作用から学び、その機能を模倣することは非常に意義深い。我々はこれまで金属酵素の機能モデルとして、一酸化窒素(NO)分子やそのオキソアニオンである亜硝酸イオン(NO2 -)の還元サイクルを、ピラゾラト架橋二核ルテニウム錯体を用いることで達成している。 そこで、硫黄のオキソアニオンである亜硫酸イオン(SO3 2-)に着目し、亜硫酸還元酵素の機能を模倣し、亜硫酸イオン還元サイクルの達成を目標とする。さらに、過塩素酸イオンなどの多電子還元にも挑戦する。
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研究成果の概要 |
8つのプロトンおよび6電子により、亜硫酸イオン(SO3 2-)を硫化水素へと変換する亜硫酸イオン還元活性化(SO3 2- + 8H+ + 6e- → H2S + 3H2O)を、二核ルテニウム錯体を用いて段階的に達成した。これは、自然界に存在する亜硫酸還元酵素の機能を再現したことになる。 これまで、同じ二核ルテニウム錯体を用いて一酸化窒素(NO)分子やそのオキソアニオンである亜硝酸イオン(NO2-)の還元サイクルを達成している。そのため、この二核ルテニウム錯体反応場が、小分子活性化に有効に機能することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球上では、硫黄循環サイクルが存在し、硫黄は生命活動にとって重要な元素である。生物による硫黄の循環で重要なのは、硫酸還元細菌が行う硫酸イオンの異化的還元によるスルフィドの生成である。生物は、硫酸イオンを亜硫酸イオンに還元し、さらに亜硫酸イオンを還元してスルフィドを得るという2段階で硫酸イオンを還元している。特に2段階目の亜硫酸イオンからスルフィドへの変換は、異化型亜硫酸還元酵素と呼ばれる酵素によって行われている。この反応を、人工的に金属錯体を使って再現した。
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