研究課題/領域番号 |
20H02765
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
前田 耕治 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (00229303)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | エネルギー変換 / 電荷移動共役 / ボルタンメトリー / 電位振動 / 同期 / 界面伝播 / ペースメーカー / 液液界面 / 膜透過 / 伝播と同期 / 信号の同期 |
研究開始時の研究の概要 |
生命を司る細胞内でのエネルギー変換あるいは神経、心臓、感覚細胞などの電気信号の伝達現象について、従来、観測できなかった膜反応の共役の時間的、空間的依存性を明らかにし、生体膜反応の熱力学、速度論における新規の原理・原則の確立につなげる。 膜系の電気化学測定法を時間的・空間的分解能を高めた測定に発展させるとともに、時間分解測定やイメージング計測を電気化学測定と併用することにより、共役の原理・原則の確立により、膜反応・膜電位が病気の発現・進行を支配するミトコンドリア病、アポトーシス、CaやFeの異常代謝、細胞周期異常、神経・心臓疾患などの原因解明や治療戦略において、新規な着眼点を提供すると期待できる。
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研究成果の概要 |
空間的に分離した部位でのイオン透過と電子透過の共役反応について、反応を律速する界面以外への添加物が共役速度を支配する特異的現象、共役初期過程でのミリ秒オーダーでの電気的中性の破れの可能性、共役部位間の接近や薄膜利用による共役速度の促進、イオン透過と電子透過を仲立ちする第3のイオン透過部位の特異的役割について、新規知見を得た。 複数の電位振動反応間の伝播と同期については、蛍光性イオンの利用と界面画像の解析から、界面伝播の実体を明らかにした。3つ以上の振動系間の伝播については、一つの自発系パルスから他の振動系に受動性パルスとして伝播するパターンと、自発系パルスが順々に伝播するパターンをみいだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアにおけるプロトン共役説の原理や共役の特異性をモデル化したことにより、ミトコンドリア病などエネルギー変換機能の不調や、外部からの薬物注入によるエネルギー変換機能の麻痺などの原因の追究に寄与することができる。また、複数の振動系の同期と伝播のモデルは、心臓や膵臓の正常と異常の差異の原因を示した。すなわち、電気的伝播と物質的伝播の両方が存在することやペースメーカーの有無に依存することに留意することを示唆する。後者については、多数の刺激細胞の中にペースメーカーが存在する場合は安定な同期状態をもたらし、逆に、ペースメーカーが存在しないと、同期パターンが多岐にわたり不整脈的パターンをもたらす。
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