研究課題/領域番号 |
20H02772
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
早下 隆士 上智大学, 理工学部, 教授 (70183564)
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研究分担者 |
橋本 剛 上智大学, 理工学部, 教授 (20333049)
神澤 信行 上智大学, 理工学部, 教授 (40286761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 細菌識別 / 超分子ナノ構造体 / デンドリマー / フェニルボロン酸 / ジピコリルアミン / 蛍光観察 / 糖認識 / リン酸誘導体認識 / ダンシル蛍光団 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、蛍光シリカナノ粒子とジピコリルアミン金属錯体の複合体が、黄色ブドウ球菌などの細菌と凝集体を形成し、目視で細菌を検出できる事を見いだして いる。またポリアミドアミンデンドリマー(樹木状高分子)の表面にフェニルボロン酸を導入したナノ構造体では、黄色ブドウ球菌と大腸菌とを識別して黄色ブドウ球菌のみを選択的に凝集させることに成功した。本研究では、様々な分子認識部位を導入した超分子ナノ構造体を開発し、その細菌に対する選択的識別メカニズムを明らかにするとともに、細菌種を簡易・迅速に識別できる新しい検出・捕集技術を開発し、研究期間内の実用化を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、蛍光測定の導入により細菌識別法の高感度化に取り組む他、細菌認識のメカニズムを検討し、表面構造を制御することでボロン酸型デンドリマープローブ(B-PAMAM)が様々な細菌選択性を与えることを明らかにした。また、デンドリマーの表面構造を変化させ、静電相互作用及び疎水性相互作用の影響を検討し、B-PAMAMの正電荷と細菌表面の負電荷間での静電相互作用がボロン酸による糖認識に寄与することで、B-PAMAMがグラム陽性菌を選択的に識別できることを明らかにした。さらにボロン酸の認識ターゲットが、グラム陽性菌特異的なリポタイコ酸であることも解明し、新しい細菌識別法の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年薬剤耐性菌が世界的な問題となっており、新たな細菌認識法が求められている。現行の細菌認識法は、数日以上の培養を要したり抗体等の高価な資材を必要としたりするため改善が望まれている。そこで、細菌表面には種々の糖鎖が存在することに着目し、ナノ構造体である樹状高分子PAMAMデンドリマーの表面にフェニルボロン酸を修飾し、グラム陽性菌選択的な細菌認識に成功し、その機構を明らかにした。ボロン酸による細菌認識メカニズムは世界的にも詳細な報告がほとんど存在しないため、メカニズム解明は新しい細菌識別法として新しい方法論を与えたと言える。
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