研究課題/領域番号 |
20H02781
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤川 茂紀 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (60333332)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | CO2回収 / 分離膜 / 自立ナノ薄膜 / 界面設計 / 気体分離 / ガス分離膜 / 自立ナノ膜 / 表面修飾 / ナノ膜 / 分離科学 / 高分子膜 / 分離膜表面 / CO2分離 / ナノ薄膜 / 自立性ナノ膜 / ガス分離 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化抑制技術の一つとして、膜分離によるCO2回収が有望視されている。しかしながら既存のCO2分離膜は透過性能が低い。従って分離膜のCO2透過性向上が喫緊の課題となっており、分離膜の薄膜化はその有効な手段の一つである。本研究では、高いCO2透過性を有する自立ナノ膜(膜厚:100nm以下)の表面にCO2親和性を持つ分子層を導入し、高い透過性と選択性を持つCO2分離膜の創製を目的とする。本研究により、ナノ分離膜の選択・透過性が分離表面で決定されることが実証されれば、CO2分離膜の透過性能向上というだけでなく、分離膜一般に関して展開可能であり、大きな波及効果が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、高いCO2透過性を有する自立PDMSナノ膜表面にのみ、CO2親和性を有する高分子超薄層を導入し、高い透過性と選択性を両立させたCO2分離膜の創製を目的とする。これにより、膜に対する気体分子の溶解・拡散性で分離・透過性能が支配されるという従来の気体分離原理から脱却し、分離膜表面への気体分子の吸脱着が膜全体の透過・選択性を決定するという、新しい分離膜構造を提示する。最終的には気体分離膜の透過性能を界面の分子デザインによって制御するという、新しい分離膜の設計指針の確立を図ることを目的とする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化抑制対策として、CO2分離膜の開発が活発に行われているが、高い選択性を保持したまま、透過性の高いCO2分離膜の報告例は未だない。これに対し申請者は、徹底的に薄膜化されたCO2透過膜を創製し、それによって高いCO2透過性を実現するという独自の成果を発表している。本研究で期待される成果により、これまで総当り的に行っていた透過性材料の探索から、CO2の吸脱着挙動に着目した「分離膜の界面デザイン」という合理的な設計が実現される。これは今後の新たな研究潮流を生み出すと共に、CO2分離以外にも脱塩や物質分離といった、工業上重要な分離プロセスのさらなる発展を促すものと期待される。
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