研究課題/領域番号 |
20H02782
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸林 弘典 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (00723280)
|
研究分担者 |
宮田 智衆 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10838949)
陣内 浩司 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20303935)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
|
キーワード | 結晶性高分子 / 階層構造 / 4D-STEM / 電子回折 / 結晶構造 / 配向 / ラメラ晶 / 球晶 / 成長機構 / ナノ局所構造 / 回折 / 走査透過電子顕微鏡 / 走査型透過電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
広く工業化されている結晶性高分子において、ナノからマイクロメートルに渡る階層構造は材料物性の主要な制御因子だが、その物性との関係について不明な点が数多く残されている。X線散乱法などの従来法はミクロンスケールの統計的な平均構造情報しか与えず、大局的な構造情報のみから物性の議論がなされてきた。 本研究では、走査型透過電子顕微鏡を用い、X線に比べて1/1000程度の直径1 nmのビームを試料上で2次元走査し、各点での電子散乱図形を2次元検出器で観測する4次元走査型透過電子顕微鏡法を確立し、結晶性高分子の階層構造を従来の1/1000の分解能で画像として捉え、高分子結晶化の未解決問題の解明に挑む。
|
研究成果の概要 |
ナノビーム電子回折法である4次元走査型透過電子顕微鏡(4D-STEM)法を用いて結晶性高分子の階層構造の基本単位であるラメラ晶の時空間分布をナノメートルスケールで明らかにし、高分子の階層構造とその形成過程である結晶化の分子描像を得ることを目的として研究を実施した。その成果として、結晶性高分子の4D-STEM測定条件を最適化し、ナノメートル間隔で碁盤目状に試料上の各点から電子回折図形を取得しこれを解析することで、電子染色などの前処理を用いることなく、ラメラ晶および内部の分子鎖の空間分布をナノメートルスケールで明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
4D-STEM法では回折図形に基づき再構成した暗視野像(結晶の形態の情報)と個々の回折図形(分子鎖の配向の情報)の両者を効果的に組み合わせて用いることが可能であり、ナノスケールの局所構造の詳細な実験的知見を直接的に得ることができる。今後、ナノスケールで計測と計算とを融合させることで、ラメラ晶の分岐やねじれのメカニズムといった、高分子結晶の成長機構を理解する上で不可欠な諸問題の解明が期待される。また、ミクロな構造とマクロな物性の関係の解明により、結晶性高分子を構成要素とする広範な材料の物性・機能の開拓も期待される。
|