研究課題/領域番号 |
20H02786
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
高須 昭則 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30303697)
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研究分担者 |
樋口 真弘 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50357836)
林 幹大 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70792654)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 環状高分子 / 希釈条件 / 直接観察 / 立体規則性 / 生分解性 / N-ヘテロ環状カルベン / アニオン重合 / 高希釈条件 / N-ヘテロ環状カルベン(NHC) / ソルビン酸エステル / ビニルモノマー / ルイス酸 / ジアステレオ選択性 / 高希釈条件を必要としない閉環反応 / ビニルポリマー / 無希釈条件 / 閉環反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、N-ヘテロ環状カルベン(NHC)を開始剤に用いたアニオン重合と、そのN-ヘテロ環状カルベニル基(α-末端)の脱離基としての性質も活用して「希釈条件を必要としない閉環反応による環状ビニルポリマー合成法の新展開」を提案する。このアニオン重合では、開始末端であるN-ヘテロ環状カルベニル基(α末端)は、重合中は対カチオンとして成長アニオンに隣接し、モノマーが完全に消費されたあとは脱離基として閉環反応に選択的に関与するため、高希釈条件を必要としない。本研究課題により、閉環反応メカニズムの解明に加え、モノマーの拡張や立体規則性の制御および得られる環状高分子の特性解析および直接観察へと展開する。
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研究実績の概要 |
前年度の研究結果を踏まえて、NHCにルイス酸を組み合わせる同様の開始剤系を用いて、種々のビニルモノマーのアニオン重合を検討した。メタクリル酸メチル(MMA)についてはすでにNHCを開始剤に用いた重合例があり、定量的に重合が進行するが、モノマーが消費されモノマーの濃度が下がるとプロトン移動が起こり線状の高分子になると報告されている。MAD存在下ではそのプロトン移動を制御でき環状高分子が生成されると期待したが、線状ポリマーが得られた。次に1,2-二置換性モノマーのクロトン酸メチル(MC)の重合を検討した。開始末端隣接の炭素上の水素原子が1つしかなくプロトン移動が起きにくいと考えた。NHCtBu/MAD触媒系を検討したところ、Rauhut-Currier反応が起きてhead-to-tail(HT)型の二量体が得られた。このように、重合が開始すると開始末端のNHC自身がカチオン性を有し、NHCに隣接するモノマーユニット中の水素の酸性度が高くなり、成長アニオンによって引き抜かれてしまう。一方、ソルビン酸エステル類は開始末端隣接のモノマーユニット中の水素原子は三級炭素と二重結合に結合しており、引き抜かれにくい。よって、開始反応を工夫すれば種々のビニルモノマーへの拡張が可能になると期待した。その結果、MMAの他にN-置換マレイミドおよびアクリレートの重合と環化が可能になった。この研究結果を、アリルメタクリレートに応用すると側鎖に二重結合を有する環状ビニルポリマーが合成可能になり、長鎖アルキル基を導入することで透過型電子顕微鏡観察が可能になり、その環状構造が直接観察できた。申請者の提案の科学的な裏付けができ次年度の研究に弾みがついた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
この研究結果を、アリルメタクリレートに応用すると側鎖に二重結合を有する環状ビニルポリマーが合成可能になり、長鎖アルキル基を導入することで透過型電子顕微鏡観察が可能になり、その環状構造が直接観察できた。申請者の提案の科学的な裏付けができ次年度の研究に弾みがついた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究結果をもとに引き続き、ビニルモノマーの拡張と立体化学の制御に展開する。研究が予想通りに遂行できた場合、NHCに代わる新たな有機触媒の探索にも挑戦したい。
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