研究課題/領域番号 |
20H02790
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 敬二 九州大学, 工学研究院, 教授 (20325509)
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研究分担者 |
春藤 淳臣 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40585915)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 高分子界面 / ハイドロゲル / 凝集状態 / ダイナミクス / 粒子追跡法 / 表面・界面 / 分子鎖凝集状態 / 分子鎖ダイナミクス / 生体不活性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、水中における高分子ハイドロゲルの最外層を「良溶媒と接触した高分子界面」と捉え、その凝集状態およびダイナミクスを明らかにすることを目的とする。特に、界面近傍における架橋密度の深さ方向分布、界面最外領域に存在するダングリング鎖の静的・動的挙動を独自の方法論で解析し、理解を深化させる。本研究は、ゲル最外領域におけるセグメントレベルのキャラクタリゼーションとしても特徴がある。ゲル最外領域に存在するダングリング鎖は擬ブラシ構造を形成するという仮説を立てて実験を遂行する。仮説が検証できれば、高分子ゲル分野と高分子ブラシ分野を繋ぐことが可能となり、ソフト界面研究に新たな潮流を生むと期待する。
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研究成果の概要 |
本課題では、水中における高分子ハイドロゲル最外層の凝集状態およびダイナミクスを明らかにすることを目的とした。原子間力顕微鏡ならびに中性子反射率測定に基づき、界面近傍における架橋密度の深さ方向分布、ダングリング鎖の静的・動的挙動を解析し、水と接触したハイドロゲル界面の理解を深化させた。また、プローブ微粒子を用いた水と接触したハイドロゲル界面の粘弾性解析も行った。これらの結果より、界面ダングリング鎖によるエネルギー損失と摩擦係数を関係づけた。さらには、ハイドロゲル界面の凝集状態およびダイナミクスと血小板粘着特性の関係についても議論した。以上の結果は、高分子機能性材料の設計指針に繋がると期待する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はハイドロゲル界面に着目しながらも、液体界面、特に、良溶媒界面における高分子研究と捉えており、他のゲル研究とは一線を画している。また、「ゲル表面は擬ブラシ構造である」という結論は、我が国が得意とするゲル研究とポリマーブラシ研究を繋ぐことが出来、その波及効果は極めて大きい。本研究で得られる成果は、高分子物理化学へ貢献できることはもちろん、表面・界面科学や材料科学にも大きなインパクトを与える。また、本成果は、ライフ・グリーンイノベーションに資する機能性ナノ材料創製へも繋がることから、社会経済へも貢献できると期待する。
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